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第一種電気工事士の難易度は?合格率・二種との差・実務経験3年と勉強時間

第一種電気工事士の難易度は?合格率・二種との差・実務経験3年と勉強時間

「第一種電気工事士は難しい」と聞くけれど、二種と比べてどれくらい難しいのか、今の自分で受かるのか、合格しても実務経験がないと免状がもらえないと聞いて迷っている。そんな状態で検索した人に向けた記事です。

この記事では、第一種電気工事士の難易度を電気技術者試験センターの合格率で確かめ、第二種との差がどこにあるのか、学科・技能の中身、2021年に3年へ短縮された実務経験の要件、勉強時間の目安、そして取る価値までを整理します。

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第一種電気工事士の難易度を合格率で確かめる

結論から言うと、第一種電気工事士は「受験者の6割弱が受かる試験」です。電気技術者試験センターの公表値では、2024年度(令和6年度)の学科試験の合格率は56.7%、技能試験は59.9%でした。数字だけ見れば難関資格ではありませんが、受験者の多くが第二種を持つ現役の電気工事関係者である点を差し引いて読む必要があります。

学科・技能とも合格率は6割前後で推移している

第一種電気工事士試験は2024年度から上期・下期の年2回実施になり、学科試験はCBT方式(パソコンで解答)と筆記方式から選べます。同センターの「令和6年度第一種電気工事士下期技能試験の結果について」によると、下期技能試験は受験者16,783人・合格者10,397人・合格率61.9%でした(2024年12月発表・電気技術者試験センター)。下期学科試験は合格者12,918人・合格率55.4%です(2024年10月発表・同センター)。

年度ごとの数字は上下しますが、学科・技能とも5割台後半から6割で安定しており、極端に難化した年はありません。試験が難しいというより、「準備が足りないまま受ける人が4割いる」と読むのが実態に近いです。

受験者層が違うので合格率だけで比べない

合格率を読むときの注意点は受験者層です。第一種の受験者は第二種の免状を持ち、現場で働きながら受ける人が中心です。第二種のように学生や未経験者が多く含まれる試験と同じ「6割」でも、母集団の下地が違います。現役の電気工事関係者でも4割が落ちる試験、と捉えると難易度の実感に近づきます。

年2回実施と学科免除で受け直しの負担は軽い

第一種電気工事士試験は受験資格がなく、年齢や学歴、第二種の有無を問わず申し込めます。2024年度からは上期・下期の年2回実施になったため、落ちても半年後に受け直せます。学科試験に合格して技能試験で落ちた場合、次回の学科試験は申請により免除されるので、技能だけを受け直す形になります。第一種・第二種・第三種の電気主任技術者免状を持つ人も学科が免除されます。

合格率6割弱という数字は1回の試験の値です。学科免除を使って技能を受け直せる仕組みを含めれば、2回の受験で合格に届く人はかなり多く、「一発で受かるか」より「1年以内に取り切れるか」で見る方が計画は立てやすいです。

第一種と第二種の電気工事士試験の合格率の比較。第一種は学科56.7%・技能59.9%(2024年度)、第二種は学科60.2%(2024年度上期)・技能72.0%(2025年度上期)。技能試験の差が特に大きい

第二種との難易度の差はどこにあるのか

第一種と第二種の難易度差は、学科より技能試験の方に大きく出ます。合格率で見ると、第二種の学科試験は60.2%(2024年度上期・受験者70,139人・合格者42,194人)、技能試験は72.0%(2025年度上期・受験者51,576人・合格者37,158人)です(電気技術者試験センター)。第一種の技能59.9%との差は約12ポイントで、学科の差より明らかに大きいです。

扱う電気工作物の範囲が広がる

第二種が扱えるのは一般用電気工作物、つまり住宅や小規模店舗の600V以下の低圧設備です。第一種はこれに加えて、最大電力500kW未満の自家用電気工作物、つまり工場やビルの高圧受電設備の工事ができます。学科試験ではこの範囲の広がりに対応して、高圧受電設備の機器と結線、変圧器や遮断器の知識、発電・送配電の基礎、自家用電気工作物の検査方法が加わります。

技能試験は高圧機器を含む10問から出る

技能試験の候補問題は第二種が13問、第一種は10問で、いずれも試験前に公表されます。数は第一種の方が少ないものの、第一種の候補問題には変圧器の代用端子台や電磁開閉器、KIP電線(高圧絶縁電線)の処理が含まれ、1問あたりの部品数と作業量が第二種より多くなります。試験時間は第二種が40分、第一種が60分です。作業量の増加に対して時間の余裕は増えないため、複線図を書く速さと作業の段取りが第二種以上に合否を左右します。

比較項目 第二種電気工事士 第一種電気工事士
工事できる範囲 一般用電気工作物(600V以下の住宅・小規模店舗) 一般用電気工作物+最大電力500kW未満の自家用電気工作物
学科試験の合格率 60.2%(2024年度上期) 56.7%(2024年度)
技能試験の合格率 72.0%(2025年度上期) 59.9%(2024年度)
学科の出題範囲 低圧の配線設計・器具・法令 高圧受電設備・変圧器・発送配電・自家用の検査が加わる
技能の候補問題 13問・40分 10問・60分(高圧機器の代用端子台を含む)
免状交付の条件 試験合格のみ 試験合格+実務経験3年以上
定期講習 なし 免状交付後5年ごとに受講義務

一種と二種の違いを工事範囲や年収まで含めて比べたい人は、電気工事士の一種と二種の違いにまとめています。

学科試験と技能試験の内容

学科試験は50問・四肢択一・試験時間140分で、合格基準は60点以上です。技能試験は公表された候補問題10問のうち1問が出題され、60分で配線図どおりに施工します。欠陥が1つでもあれば不合格になる点は第二種と同じです。

学科試験のCBT方式は、指定された期間の中から受験日と会場を自分で選び、パソコンの画面で解答する方式です。試験終了と同時に得点が画面に表示されるため、技能試験の準備にすぐ移れる利点があります。筆記方式は従来どおり指定日に一斉実施でマークシートに記入します。出題内容と試験時間はどちらも同じなので、パソコン操作に抵抗がなければCBT方式の方が日程の自由度は高いです。

学科試験の出題分野と配点の考え方

学科試験は、電気に関する基礎理論、配電理論と配線設計、電気応用、電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料と工具、電気工事の施工方法、自家用電気工作物の検査方法、配線図、発電施設・送電施設・変電施設の基礎、保安に関する法令、の分野から出題されます。第二種と重なる分野が半分近くあり、第二種の知識を土台にして高圧分野を積み増す構造です。

計算問題は三相交流と変圧器、短絡電流、力率改善などが加わりますが、出題全体に占める割合は限られます。計算が苦手でも、機器の名称と用途、法令、配線図の読み取りで得点を積めば60点は届きます。

技能試験で落ちる典型パターン

技能試験の不合格は、大きく3つに分かれます。時間切れで未完成、複線図の誤りによる結線ミス、そして欠陥判断基準に触れる細かな施工不良(心線の露出長、ねじの締め忘れ、リングスリーブの圧着マーク違い)です。第一種で特に多いのは1つ目で、KIP電線の被覆処理や端子台への結線に時間を取られて後半の作業が雑になるケースです。

候補問題10問は毎年1月頃に電気技術者試験センターの公式サイトで公表されるので、公表後に全問を最低2回、時間を計って施工するのが標準的な準備です。

免状交付に必要な実務経験3年と定期講習

第一種電気工事士は、試験に合格しただけでは免状が交付されません。免状交付には3年以上の実務経験が必要で、この年数は2021年4月1日施行の電気工事士法施行規則の改正で、学歴を問わず一律3年になりました(経済産業省)。改正前は大学・高専の電気工学科卒業者が3年、それ以外は5年だったので、多くの受験者にとって2年短縮されたことになります。

実務経験として認められる工事

実務経験として数えられるのは、電気工事士法で電気工事士でなければ従事できないとされている電気工作物の工事です。第二種の免状を持って一般用電気工作物の工事に従事した期間、認定電気工事従事者として自家用電気工作物の簡易電気工事に従事した期間などが対象になります。軽微な工事や電気工事に該当しない作業は含まれないため、証明書を書いてもらう会社と事前に確認しておくと申請でつまずきません。

免状の申請先は住所地の都道府県で、実務経験証明書は勤務先の代表者の証明が要ります。転職を挟んでいる場合は前職の分も証明が必要なので、退職前に証明書をもらっておく方が手続きは楽です。

免状交付後は5年ごとの定期講習

第一種電気工事士は免状交付後、5年以内ごとに定期講習の受講が義務づけられています。自家用電気工作物の保安に関わる資格なので、法令改正や技術基準の更新を追い続ける仕組みです。受講しなくても免状が失効するわけではありませんが、受講義務違反として免状の返納命令の対象になり得ます。

第一種電気工事士の免状取得までの3段階。学科試験と技能試験に合格する、実務経験3年を証明して都道府県に申請する、免状交付後は5年ごとに定期講習を受ける

合格から免状交付までに確認しておきたい3点

  • 実務経験3年は「電気工事士でなければできない工事」に従事した期間で数える(2021年4月から学歴を問わず一律3年・経産省)
  • 実務経験証明書は勤務先ごとに必要。転職前に前職の証明をもらっておく
  • 試験合格の効力に期限はないが、免状交付後は5年ごとの定期講習が義務

勉強時間の目安と取る価値

勉強時間は、第二種を持っていて現場経験がある人で学科に100〜150時間、技能に50時間前後が編集部の目安です。試験センターが勉強時間を公表しているわけではないので、あくまで目安として計画に使ってください。第二種を持たずに受ける場合は、低圧分野の基礎から積む必要があるため、学科だけで200時間を見ておくと余裕が出ます。

学科は「第二種の復習+高圧分野の上乗せ」で組む

第二種の知識が残っている人は、過去問を1年分解いて正答率を測るところから始めると無駄がありません。低圧分野で7割取れていれば、そこには時間をかけず、高圧受電設備の機器名と役割、単線結線図の読み取り、法令の数値(受電電圧・電線離隔距離・検査周期)を集中的に覚えます。過去問は電気技術者試験センターが公式サイトで公開しているので、市販の問題集と合わせて直近5年分を3周する計画が現実的です。

働きながら学科150時間を確保する場合、平日1時間・土日3時間なら1週間で約11時間、14週で150時間に届きます。最初の4週を第二種の復習と過去問1年分の実力測定、次の6週を高圧分野と計算問題、残りの4週を過去問5年分の反復に充てる配分が標準的です。技能は学科の合格発表を待たず、学科試験の直後から候補問題に着手すると、技能試験までの約2か月で2周が回せます。

技能は候補問題10問を最低2周する

技能試験は工具と練習材料をそろえた上で、公表された候補問題10問を時間を計って施工します。1周目は複線図を書いて手順を覚え、2周目は60分以内に収まるかを確認し、3周目で欠陥判断基準に照らして仕上がりを見直します。KIP電線の処理と変圧器の代用端子台への結線は第二種にない作業なので、この2つだけは別枠で反復しておくと本番の時間切れを防げます。

第二種を持たずに受ける場合の考え方

第二種を経由せず第一種を直接受けることは制度上できますが、免状交付には実務経験3年が要る点は変わりません。無資格のままでは電気工事士の工事に従事できず、実務経験を積む手段がなくなります。そのため、第二種を持たない人が第一種に合格しても、結局は第二種を取って現場に入り、3年後に第一種の免状を申請する順番になります。学科の勉強は一種と二種で重なる部分が多いので、同じ年に二種と一種を続けて受ける計画は成り立ちます。

勉強計画を生成AIに組ませるプロンプト

勉強時間の見積もりと週ごとの配分は、生成AIに条件を渡して組ませると手戻りが減ります。次のプロンプトは、現在の知識と使える時間から学科の週次計画を出させるものです。

あなたは第一種電気工事士試験の学習計画を組むコーチです。以下の条件で、学科試験までの週ごとの学習計画を表で作ってください。
条件:
- 第二種電気工事士の免状あり。現場経験2年。三相交流と変圧器の計算は苦手
- 試験日まで14週。平日は1日1時間、土日は各3時間使える
- 教材は市販テキスト1冊と電気技術者試験センターの過去問5年分
- 合格基準は50問中30問正解(60点)
出力:
1. 各週の学習テーマと到達目標(過去問の正答率で書く)
2. 苦手分野に割く時間の割合と、その理由
3. 過去問を解く日と復習する日の分け方
4. 試験2週間前からの仕上げ方

取る価値は「工事の範囲」と「転職市場での評価」に出る

第一種電気工事士を取る価値は、工場・ビル・商業施設の高圧受電設備の工事ができるようになり、担当できる案件と職場の選択肢が広がる点にあります。第二種のままでは元請けの高圧案件で作業の一部しか担当できないため、施工会社や設備管理会社の求人では第一種を条件または優遇にするものが多く見られます。

第一種の免状を待つ間の選択肢として、認定電気工事従事者の認定証があります。第二種の免状取得後に3年の実務経験を積むか、認定講習を受けることで取得でき、自家用電気工作物のうち600V以下の簡易電気工事に従事できます。第一種の合格者は実務経験なしで認定講習を経ずに申請でき、免状交付までの3年間に高圧受電のビルや工場の低圧部分の工事に関わる道が開けます。

年収については、資格手当の額や独立後の受注範囲の違いとして表れます。具体的な相場は次の記事で整理しています。

READ ALSO — 電気工事士 第一種電気工事士の年収はいくら?第二種との差・資格手当・独立後の相場を解説

まとめ

  • 第一種電気工事士の合格率は学科56.7%・技能59.9%(2024年度・電気技術者試験センター)。難関ではありませんが、受験者は第二種持ちの現役が中心で、その4割が落ちる試験です
  • 第二種との差は技能試験に大きく出ます。第二種の技能72.0%(2025年度上期)に対し第一種は59.9%で、高圧機器を含む候補問題10問を60分で仕上げる作業量が壁になります
  • 免状交付には試験合格に加えて実務経験3年が必要で、2021年4月の施行規則改正で学歴を問わず一律3年に短縮されました。交付後は5年ごとの定期講習が義務です
  • 勉強時間は第二種持ちで学科100〜150時間・技能50時間前後が目安。第二種の復習と高圧分野の上乗せ、候補問題10問を2周以上で組みます

シゴトのホント編集部

第一種は「試験の難しさ」より「免状までの長さ」で挫折する資格だと感じています。実務経験3年は現場に入っていれば自然に積める年数なので、試験合格を先に済ませておき、証明書は勤務先ごとに取っておく。この順番にしておくと、転職や独立のタイミングで免状が間に合わないという事態を避けられます。

参照ソース

FAQよくある質問

第一種電気工事士は第二種を持っていなくても受験できますか?

受験できます。第一種電気工事士試験に受験資格はなく、年齢・学歴・第二種の有無を問わず申し込めます。ただし試験に合格しても免状の交付には3年以上の実務経験が必要で、その実務経験は第二種の免状を持って一般用電気工作物の工事に従事した期間なども対象になるため、実際には第二種を先に取る人が大半です。

第一種電気工事士の合格率はどれくらいですか?

電気技術者試験センターの公表値では、2024年度(令和6年度)の学科試験の合格率は56.7%、技能試験は59.9%です。同じ年度の第二種は学科約60%・技能約72%なので、技能試験の差が特に大きく、第一種は候補問題10問を60分で仕上げる練習量が合否を分けます。

第一種電気工事士に合格したのに免状がもらえないことはありますか?

あります。免状交付には試験合格に加えて3年以上の実務経験の証明が必要で、2021年4月の電気工事士法施行規則の改正で学歴を問わず一律3年になりました。合格後に実務経験を積む場合、その間の合格の効力に期限はありませんが、無資格で自家用電気工作物の工事はできないため、第二種の免状で従事できる範囲の経験を積むことになります。

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