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第一種電気工事士の年収はいくら?第二種との差・資格手当・独立後の相場を解説

第一種電気工事士の年収はいくら?第二種との差・資格手当・独立後の相場を解説

第一種電気工事士を取ったら年収はどれだけ変わるのか。求人票の「一種優遇」は月いくらの話なのか。第二種のまま現場を続けるのと、どちらが得なのか。資格を取る前に、その答えを数字で確かめたい人向けの記事です。

先に結論です。公的統計は「電気工事従事者」を一つの職種として集計しており、一種・二種で年収を分けた数字はありません。 そのため、この記事では統計の全体像を土台にしつつ、法律で決まっている業務範囲の差、資格手当の仕組み、主任電気工事士や独立という伸びしろの3つを分けて、第一種電気工事士の年収がどう決まるかを解説します。

電気工事士全般の悩みは電気工事士完全ガイドにまとめています。

第一種電気工事士の年収の目安 — 統計で見る電気工事従事者の給料

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)では、職種「電気工事従事者」のきまって支給する現金給与額は月約36.8万円、年間賞与その他特別給与額は約106.5万円で、単純計算で年収は約548万円です。この数字は第一種・第二種の区別なく、電気工事に従事する一般労働者全体の平均です。 第一種電気工事士の年収を考えるときは、この平均を「全体の中心」として置き、そこから上振れする要因を積み上げていくのが実態に近い見方になります。

統計の数字の読み方

賃金構造基本統計調査は、10人以上の常用労働者を雇う事業所を対象にした調査で、年収は「月給×12+賞与」で推計するのが一般的です。次の点は押さえておいてください。

  • 残業代を含む数字である。 きまって支給する現金給与額には所定内給与に加えて超過労働給与(残業代)が含まれます。現場の繁忙で残業が多い会社ほど平均を押し上げます。
  • 年齢・勤続年数で大きく変わる。 同じ職種でも20代前半と40代では月給に大きな幅があります。平均548万円は全年齢を均した値です。
  • 企業規模で差がつく。 大手のサブコン(設備工事会社)と地域の電気工事店では、同じ作業でも賞与の水準が違います。

電気工事士全体の経験年数別・年齢別の給料の見方は、別記事で詳しく整理しています。

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第一種電気工事士が平均より上に出やすい理由

統計に資格別の数字がない以上、「一種を取れば年収○万円」とは言えません。ただし、次の3つの構造から、第一種保有者は平均より上の層に入りやすいと考えるのが妥当です。

  1. 免状の条件として実務経験3年以上が必要なので、免状を持っている時点で経験年数が一定以上あり、年齢・勤続に応じた給与が乗っている。
  2. 扱える工事の範囲が法律で広いため、ビル・工場など単価の高い自家用電気工作物の現場に配置されやすい。
  3. 主任電気工事士や建設業法上の主任技術者の要件を単独で満たすため、班長・現場代理人・営業所の責任者といった役職に就く入口が早い。

つまり、年収差の正体は「資格そのものへの手当」よりも、「経験年数」「担当する現場の種類」「役職」の3つに分散しています。次の見出しから一つずつ見ていきます。

年齢・企業規模で見た幅の取り方

同じ統計を年齢階級別に見ると、電気工事従事者の月給は20代前半が最も低く、40代から50代前半にかけて高くなる山型を描きます。第一種の免状は実務経験3年以上が条件なので、免状を持っている人の多くは20代後半以降で、この山の上り坂にいる時期に取得することになります。つまり「一種を取ったから上がった」ように見える年収の一部は、年齢と勤続による上昇と重なっています。自分の年収の伸びを評価するときは、同年代の平均と比べて上か下かで見ると、資格の効果を切り分けやすくなります。

企業規模の影響も無視できません。賃金構造基本統計調査は企業規模(1,000人以上・100〜999人・10〜99人)別にも集計されており、一般に規模が大きいほど賞与が厚くなります。第一種を活かせる自家用電気工作物の工事は規模の大きい会社が受注しやすいため、第一種を取って転職する人が結果として大企業寄りに移動し、年収が上がる、という経路もあります。統計の平均値を見るときは、この規模差が混ざっていることを念頭に置いてください。

第二種と第一種の電気工事士を比較した図。第二種は一般用電気工作物(住宅・小規模店舗)の工事に限られ、免状は試験合格で取得できる。第一種は加えて最大電力500kW未満の自家用電気工作物(ビル・工場)の工事ができ、免状には実務経験3年以上と5年ごとの定期講習が必要で、主任電気工事士の要件を単独で満たす。

第二種との年収差はどこから生まれるか — 業務範囲と法律の違い

第一種と第二種の年収差は、電気工事士法が定める「工事できる範囲」の差から生まれます。第二種は一般用電気工作物(住宅や小規模な店舗の屋内配線など)の工事に限られ、第一種はそれに加えて最大電力500kW未満の自家用電気工作物(ビル、工場、大型店舗などの需要設備)の工事に従事できます(電気工事士法・経済産業省)。会社にとっては、第一種がいないと請け負えない工事があるということであり、この差が求人票の待遇に反映されます。

業務範囲の比較

項目 第二種電気工事士 第一種電気工事士
工事できる範囲 一般用電気工作物等(住宅・小規模店舗の配線など) 一般用電気工作物等+自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)
典型的な現場 戸建て・アパートの電気工事、店舗の内装電気 ビル・工場・商業施設の受変電設備まわり、キュービクル関連
免状の交付条件 試験合格 試験合格+実務経験3年以上(2021年4月改正で5年から短縮)
免状取得後の義務 なし 5年ごとの定期講習の受講
主任電気工事士の要件 免状交付後3年以上の実務経験が必要 免状があれば単独で満たす
試験の合格率の目安 技能試験は7割前後(2025年度下期71.4%・電気技術者試験センター) 学科・技能とも6割弱(2025年度・電気技術者試験センター)

第二種の技能試験合格率は2025年度下期で71.4%(受験者48,034人・合格者34,313人)、第一種は学科・技能とも6割弱で推移しており、第一種の方が明らかに狭き門です。試験の難しさに加えて、免状に3年の実務経験が要るため、第一種保有者は現場でも少数派になります。この希少性が待遇差の土台です。

「二種+認定電気工事従事者」という中間の選択肢

第二種免状の取得者は、講習を受けて認定電気工事従事者の認定証を得ると、自家用電気工作物のうち600V以下で使用する設備の簡易電気工事に従事できるようになります。ビル管理や工場保全の求人で「二種+認定電気工事従事者」を条件にしているものはこの仕組みによるもので、第一種の免状を待つ間の実務範囲を広げる手として使えます。認定電気工事従事者として自家用の現場で積んだ経験は、第一種免状の実務経験としても算入されます。

年収差が出にくいケース

一方で、次のような会社では第一種を取っても年収がほとんど変わらないことがあります。

  • 住宅の電気工事が中心で、自家用電気工作物の案件をそもそも請けていない
  • すでに第一種保有者が十分にいて、追加の人材に手当を付ける動機がない
  • 賃金テーブルが年齢・勤続だけで決まり、資格が評価項目に入っていない

第一種を取る前に、いまの会社が自家用電気工作物の工事を受注しているか、資格手当の規定があるかを就業規則や賃金規程で確認しておくと、取得後の「思ったより変わらなかった」を避けられます。

第一種電気工事士の資格手当の相場と会社の選び方

資格手当は会社ごとの任意制度で、公的統計に相場はありません。求人票を見ると、第二種より第一種の方が手当を高く設定する会社が多く、月額で数千円台から1万円を超える幅があり、賞与に連動する会社もあります。年収に直すと数万円から十数万円の上乗せで、これは「資格そのもの」に対する分であり、担当現場や役職による上振れは別に乗ります。

資格手当の3つの型

仕組み 見るべきポイント
月額固定型 免状の種類ごとに月額を固定して支給 一種と二種の金額差、両方持つ場合に合算されるか
一時金型 合格時に祝い金・報奨金を一度だけ支給 受験費用や講習費用の会社負担があるか
職能等級連動型 資格が等級の要件になり、基本給が上がる 等級が上がると賞与の算定基礎も変わるため効果が大きい

一番大きいのは3つ目の職能等級連動型です。月額固定型の手当は基本給に含まれないため賞与に反映されませんが、等級連動型は基本給そのものが上がるので、賞与・残業単価・退職金の算定基礎まで動きます。求人票の「資格手当あり」だけでは型が分からないので、面接で「一種を取った場合、手当は月額固定か、等級に反映されるか」を聞いておくと判断しやすくなります。

第一種の資格手当を評価するときに確認したい4点

  • 月額固定か、職能等級に連動して基本給が上がるか
  • 第二種の手当と合算されるのか、上位資格に置き換わるのか
  • 5年ごとの定期講習の費用と受講日の扱い(会社負担・出勤扱いか)
  • 自家用電気工作物の工事を実際に受注しているか(手当以外の上振れ要因)

取得と維持にかかる費用も差し引いて考える

第一種は取って終わりではありません。免状の交付後は5年ごとに定期講習を受ける義務があり、受講料と講習日の拘束が発生します。加えて受験料、技能試験の練習材料、参考書などの初期費用があります。会社が費用を負担し、講習日を出勤扱いにしてくれるかどうかで、資格手当の実質的な価値は変わります。手当が月額数千円でも、講習費用と受験費用を会社が持つなら、自己負担で取る場合より数年分の手当に相当する差になります。求人票の「資格取得支援制度あり」は、対象資格と負担範囲を面接で具体的に確認してください。

転職で年収を上げるなら「工事の種類」で会社を見る

第一種の価値が最も高く評価されるのは、自家用電気工作物の工事を主力にしている会社です。具体的には、ビル・工場・商業施設の受変電設備や幹線工事を請けるサブコン、プラント系の電気工事会社、大型施設のビル管理会社などです。住宅の電気工事が中心の会社では、第一種を持っていても業務範囲の差が仕事に出にくく、手当の額も小さくなりがちです。

転職サイトで求人を比べるときは、「第一種電気工事士 優遇」の文言よりも、施工実績に書かれている物件の種類(オフィスビル、工場、病院、商業施設など)を見た方が、その会社で第一種がどれだけ使われるかを判断できます。

独立・主任電気工事士として年収を伸ばす道筋

第一種電気工事士の年収の伸びしろは、「雇われの上限」を超える2つの道にあります。1つは主任電気工事士や現場代理人として営業所や現場を任される道、もう1つは電気工事業の登録をして独立する道です。どちらも第一種免状を持っていると要件を単独で満たせる一方、第二種だけでは免状交付後3年以上の実務経験が別途必要になります。

第一種電気工事士の年収が伸びる4段階を示した図。1段階目は第二種で住宅の現場を担当し実務経験を積む時期、2段階目は第一種免状を取り自家用電気工作物の現場に配置される時期、3段階目は主任電気工事士や現場代理人として営業所・現場を任される時期、4段階目は電気工事業の登録をして独立し受注単価を自分で決める時期。

主任電気工事士という役割

電気工事業法では、電気工事業を営む者は営業所ごとに主任電気工事士を置かなければなりません。その要件は、第一種電気工事士免状の取得者、または第二種電気工事士免状の取得後3年以上の実務経験がある人です。営業所に主任電気工事士がいなければ、その営業所は一般用電気工作物の工事を請け負えません。会社にとって第一種保有者は、営業所の存続に関わる人材ということになります。

主任電気工事士は工事の作業内容を確認し、作業者に指示を出す立場です。この役割を任されると、役職手当や現場代理人としての手当が乗り、年収は資格手当の比ではない幅で動きます。建設業法上の主任技術者(工事現場に置く技術者)も第一種電気工事士であれば要件を満たすため、公共工事や規模の大きい民間工事の現場責任者としての道も開けます。

独立で年収を伸ばす場合の前提

独立して電気工事業を営むには、都道府県知事(複数の都道府県に営業所を置く場合は経済産業大臣)への登録が必要で、営業所ごとの主任電気工事士の配置が条件になります。第一種免状を持っていれば、自分自身が主任電気工事士になれるため、一人親方として登録する土台が整います。

独立後の年収は、元請か下請か、地域、受注量、自分で施工する比率によって幅が大きく、公的統計で「独立した電気工事士の平均年収」は示されていません。定性的に言えるのは次の3点です。

  • 売上と年収は別物。 材料費、車両・工具、保険、税金を引いた残りが手取りです。売上が増えても手取りが増えるとは限りません。
  • 第一種があると受注できる工事の幅が違う。 自家用電気工作物の改修・増設は、住宅の工事より1件あたりの単価が高い傾向にあります。
  • 元請の確保が年収を決める。 独立初期は前職の会社や同業からの下請けが中心で、元請比率を上げるまでは雇われ時代と大きく変わらないこともあります。

電気工事士の仕事が今後も続くのか、人手不足の実態と将来性については別記事で統計を確かめています。独立を考えるなら、需要の見通しも合わせて読んでおいてください。

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独立までの現実的な段階

いきなり独立する人は少なく、多くは次の順で進みます。第二種で住宅の現場に入り実務経験を積む、第一種免状を取って自家用電気工作物の現場を経験する、主任電気工事士や現場代理人として工程・安全・原価の管理を覚える、そのうえで元請になりうる取引先を確保してから登録する、という流れです。管理の経験を飛ばして独立すると、見積もりの精度が低く、受注しても利益が残らないことが起きます。独立で年収を伸ばしたいなら、雇われている間に「見積もりを作る」「工程を組む」「材料を発注する」という仕事を引き受けておくことが、資格と同じくらい効いてきます。

なお、独立後も第一種の定期講習は続きます。講習を受けずに期限を過ぎると免状の効力に関わるため、繁忙期でも受講日を確保しておく必要があります。

第一種を取っても年収が伸びない3つのパターン

  • 住宅工事が中心の会社に留まり、自家用電気工作物の現場に出る機会がない
  • 資格手当が月額固定のみで、等級や役職に反映される仕組みがない
  • 主任電気工事士・現場代理人の役割を引き受けず、作業者のままでいる

AIで自分の年収の見込みを見積もる方法

第一種電気工事士の年収は、年齢・地域・会社の工事種別・役職の組み合わせで決まるため、平均値だけでは自分のケースに当てはめられません。生成AIに条件を渡して「上振れ要因と下振れ要因」を整理させると、求人票を比べるときの基準が作れます。AIは統計の数字を正確に持っているわけではないので、数字はこの記事の統計(2024年・厚労省)を自分で渡し、AIには構造の整理をさせるのがコツです。

年収の見込みを整理するプロンプト

次のプロンプトの「あなたの条件」を書き換えて使ってください。

あなたは電気工事業界の人事・給与制度に詳しいキャリアアドバイザーです。
以下の統計と私の条件をもとに、第一種電気工事士を取得した場合の年収の見込みを整理してください。

【統計(2024年・厚生労働省 賃金構造基本統計調査)】
- 職種「電気工事従事者」のきまって支給する現金給与額: 月約36.8万円(残業代含む)
- 年間賞与その他特別給与額: 約106.5万円
- 資格別(一種・二種)の集計はない

【私の条件】
- 年齢: 32歳 / 経験: 第二種取得後7年 / 地域: 愛知県
- 現在の会社: 住宅の電気工事が中心、従業員15人、資格手当は二種3,000円
- 検討中の転職先: ビル・工場の電気設備工事が主力、従業員120人、一種手当あり(額は未確認)
- 将来: 5年以内に主任電気工事士か現場代理人を目指したい

【出力してほしいこと】
1. 統計の平均に対して、私の条件で上振れ・下振れする要因をそれぞれ3つ
2. 現職に残る場合と転職する場合で、年収の決まり方がどう違うか
3. 面接で確認すべき質問を5つ(資格手当の型、担当現場、役職への道筋を含める)
4. 断定的な金額は出さず、根拠が薄い部分は「不明」と書くこと

出力を使うときの注意

AIの回答は「面接で何を聞くか」の下書きとして使い、金額の判断は求人票と賃金規程で裏を取ってください。AIが「一種を取れば年収○万円アップ」のように断定した場合、それは統計に根拠のない推測です。この記事で示したとおり、公的統計に資格別の数字はありません。

まとめ

第一種電気工事士の年収は、公的統計では「電気工事従事者」全体の平均(2024年・年収約548万円・厚労省)としてしか示されず、資格別の数字はありません。年収差は、免状の条件である実務経験3年以上、法律で広がる業務範囲(500kW未満の自家用電気工作物)、主任電気工事士や主任技術者の要件を単独で満たすことの3つを通じて、間接的に生まれます。

資格手当は月額固定型・一時金型・職能等級連動型があり、年収への効き方が最も大きいのは基本給が動く等級連動型です。転職で年収を上げるなら、自家用電気工作物の工事を主力にしている会社を施工実績で見分けてください。独立は主任電気工事士の要件を自分で満たせる第一種の強みが最も生きる道ですが、収入は元請比率と受注量次第で、売上と手取りは別物です。

シゴトのホント編集部

「一種を取れば年収が上がる」は半分正しく、半分は会社次第です。統計に資格別の数字がない以上、上がるかどうかはどの現場に出るか、どの役割を引き受けるかで決まります。取得前に、いまの会社の施工実績と賃金規程を一度確認してみてください。

参照ソース

FAQよくある質問

第一種電気工事士を取ると年収はどれくらい上がりますか?

公的統計は資格別に年収を分けていないため、正確な差額は示せません。実務上は資格手当(月額数千円から1万円台が多い)、扱える工事の範囲が広がることによる単価の高い現場への配置、主任電気工事士として営業所を任される昇進の3つを通じて差がつきます。

第一種電気工事士は試験に受かればすぐ名乗れますか?

試験合格だけでは免状は交付されません。3年以上の実務経験(2021年4月の改正で5年から短縮)を証明して都道府県知事に申請する必要があります。免状を受けた後も5年ごとの定期講習が義務です。

独立すると年収はどのくらいになりますか?

独立後の収入は元請か下請か、地域、受注量で大きく変わるため一律の相場は示せません。電気工事業の登録には営業所ごとに主任電気工事士(第一種免状か第二種免状取得後3年以上の実務経験)が必要で、第一種があれば個人でこの要件を満たせる点が独立の土台になります。

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