DENKI電気工事士のキャリア

第二種電気工事士の技能試験の対策|候補問題13問の進め方・欠陥基準・工具と練習量

第二種電気工事士の技能試験の対策|候補問題13問の進め方・欠陥基準・工具と練習量

第二種電気工事士の技能試験は、工具に触ったこともなく何から手をつければいいか分からない。候補問題13問を全部やる時間はあるのか、練習キットは何回分要るのか、欠陥1つで落ちると聞いて不安になっている。そんな人向けの記事です。

先に結論です。技能試験は、毎年1月に公表される候補問題13問から1問が出題され、40分以内に欠陥のない作品を作れば合格です。 合格率は7割前後です(2025年度下期71.4%・電気技術者試験センター)。試験の仕組み、候補問題の進め方と学科との時間配分、落ちる欠陥の判断基準、工具と練習キットの選び方と練習量、AIで手順を確認する方法を解説します。

電気工事士全般の悩みは電気工事士完全ガイドにまとめています。

第二種電気工事士の技能試験の仕組み — 候補問題13問・40分・欠陥ゼロ

第二種電気工事士の技能試験は、電気技術者試験センターが毎年1月に公表する候補問題No.1〜No.13の中から1問が出題され、40分で配線図どおりの作品を完成させる試験です。合格基準は「作品に欠陥がないこと」で、欠陥が1つでもあれば不合格になります。 出題される問題は試験地によって異なり、当日まで分かりません。

候補問題が事前に公表される意味

候補問題は「一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業」として、机上で施工できること、使用する材料・工具を考慮して作成されています(電気技術者試験センター)。公表されるのは配線図(単線図)と施工条件の骨子で、当日は寸法や器具の指定が加わった形で出題されます。13問はいずれも、ケーブルの切断・被覆のはぎ取り、器具への結線、リングスリーブや差込形コネクタによる電線の接続、ボックスへの取り付けといった共通の作業の組み合わせでできています。つまり、13問を練習することは「13種類の作業を覚えること」ではなく、共通する基本作業を13通りの組み合わせで反復することです。

試験の実施形態と合格率

技能試験は上期・下期の年2回、各都道府県の試験地で土曜日または日曜日に実施されます。2026年度は上期が7月18日または19日、下期が12月12日または13日です(電気技術者試験センター)。合格率は次のとおりで、7割前後で安定しています。

実施回 受験者数 合格者数 合格率
2024年度下期(2024年12月実施) 43,570人 30,266人 69.5%
2025年度下期(2025年12月実施) 48,034人 34,313人 71.4%

出典: 電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験の試験結果と推移」

裏を返せば約3割は不合格になっています。不合格の多くは「時間内に完成しなかった」か「完成したが欠陥が1つあった」のどちらかで、知識不足ではなく練習量と確認の習慣の問題です。

本番当日の流れ

当日は着席後に材料箱が配られ、試験開始前に材料の確認時間があります。ここで配線図・施工条件と材料を照らし、不足や破損があれば申し出ます。開始後は、複線図を描く(3〜5分)、ケーブルを寸法どおりに切断してはぎ取る、器具に結線する、ジョイントボックス内で接続する、最後に複線図と作品を照らして確認する、という順が一般的です。作品は机上で施工し、完成後は指示に従ってそのまま置いて退室します。練習の段階からこの順番を固定しておくと、本番で手順を考える時間がなくなり、確認に回せる時間が増えます。

第二種電気工事士の技能試験を3つの数字で示した図。候補問題は13問で毎年1月に公表され、そのうち1問が出題される。試験時間は40分。合格基準は欠陥ゼロで、1つでも欠陥があると不合格。合格率は7割前後(2025年度下期71.4%)。

学科を含めた第二種電気工事士全体の難易度と勉強時間の目安は、別記事で整理しています。

READ ALSO — 電気工事士 第二種電気工事士の難易度はどれくらい?合格率と勉強時間の目安

候補問題13問の進め方と学科との時間配分

候補問題13問は、「基本作業を単体で練習する」「複線図を13問分描けるようにする」「13問を通しで施工する」「時間を計って2周目に入る」の4段階で進めると、無駄なく仕上がります。学科試験の合格発表を待ってから技能の練習を始めると期間が足りなくなりやすいので、学科の受験直後から技能の準備を始めるのが時間配分の要点です。

候補問題13問の練習を4段階で示した図。第1段階は基本作業の単体練習(ケーブルの被覆はぎ取り、のの字曲げ、リングスリーブ圧着、差込形コネクタ)、第2段階は13問の複線図を描く練習、第3段階は13問を1問ずつ通しで施工、第4段階は時間を計って苦手な問題を2周目で繰り返す。

第1段階: 基本作業を単体で反復する

最初に候補問題を通しでやろうとすると、被覆のはぎ取りで手間取り、1問に1時間以上かかって挫折します。先に、ケーブル(VVF1.6-2C・2.0-2C・VVF1.6-3C・VVR等)の外装と絶縁被覆のはぎ取り、ランプレセプタクルと露出形コンセントの「のの字曲げ」、リングスリーブの圧着(小・中の使い分けと刻印)、差込形コネクタへの差し込み、端子台への結線、引掛シーリングの結線を、それぞれ単体で10回程度繰り返してください。ここで手が覚えると、候補問題1問あたりの時間が一気に縮みます。

第2段階: 複線図を13問分描けるようにする

候補問題は単線図で示されるため、施工の前に複線図(実際の電線の本数と接続を描いた図)に直す必要があります。試験当日も最初の数分で複線図を描くのが一般的です。電源からの接地側(白)・非接地側(黒)の配線、スイッチと負荷の間の配線、接続箇所ごとの電線の本数と接続方法(リングスリーブか差込形コネクタか)を、13問すべてについて紙に描けるようにします。複線図が描けない状態で施工に入ると、誤接続の欠陥が出ます。

第3段階: 13問を1問ずつ通しで施工する

複線図が描けたら、候補問題No.1から順に、時間を気にせず1問ずつ完成させます。完成したら、後述する欠陥の判断基準と照らして自分で採点します。この段階で1問あたり50〜60分かかっても問題ありません。13問を1周する頃には、共通の作業が体に入り、自然に40分を切り始めます。

第4段階: 時間を計って苦手な問題を繰り返す

2周目は40分のタイマーをかけ、本番と同じ手順(複線図→材料確認→施工→確認)で行います。1周目で時間がかかった問題、欠陥が出た問題を優先して2〜3回繰り返してください。全問を35分以内で欠陥なく完成できる状態が、本番に余裕を持って臨める目安です。

学科との時間配分の考え方

学科試験はCBT方式の受験期間が2026年度は上期4月23日〜6月7日、下期9月24日〜11月8日の各46日間に延長されており、筆記方式は上期5月24日、下期10月25日です(電気技術者試験センター)。技能試験はその約2か月後に実施されます。時間配分の目安は次のとおりです。

時期 やること 配分の考え方
学科の受験まで 学科の勉強に集中。ただし複線図の単元だけは技能を意識して丁寧に 複線図は学科と技能の両方で使う
学科の受験直後〜1週間 工具と練習キットを揃え、基本作業の単体練習を始める 合格発表を待たない
技能試験の7〜5週間前 13問の複線図と1周目の通し施工 週に3〜4問のペース
技能試験の4〜2週間前 時間を計った2周目、苦手な問題の反復 1問40分×週5〜6問
最後の1週間 欠陥の判断基準を読み直し、確認の手順を固定する 新しいことはしない

学科試験に合格した人は、次回の試験に限り学科試験が免除されます。上期に学科合格・技能不合格だった場合は、同じ年度の下期に技能試験だけを受け直せるため、1回の不合格で振り出しに戻るわけではありません。

第二種電気工事士の技能試験で落ちる欠陥の判断基準

技能試験の欠陥は、電気技術者試験センターが「技能試験に係る欠陥の判断基準等について」として公表しており、受験者はこれを事前に読めます。重大欠陥・軽微欠陥という区分はなく、判断基準に該当するものはすべて不合格の理由になります。 落ちる人の多くは、判断基準を読まずに「完成すれば受かる」と思って臨んでいます。

欠陥の主な分類

判断基準は、作品全体に関わるものと、器具・接続の種類ごとのものに分かれます。頻出のものを分類ごとに整理します。

分類 欠陥になる例 防ぎ方
未完成・配線の相違 作品が未完成、配線図と器具の配置や接続が違う、寸法が配線図の50%以下 複線図を先に描く。寸法は切る前に測る
誤接続・色別違い 接地側に黒を使う、非接地側に白を使う、スイッチの結線を間違える 電源の白は負荷へ、黒はスイッチへ、を口に出して確認
電線の損傷 心線に傷やへこみがある、絶縁被覆に心線が見えるほどの傷がある ストリッパーの刃を心線に当てない。はぎ取り後に目視
リングスリーブ 刻印(○・小・中)の間違い、心線の端末が長すぎる(先端処理)、絶縁被覆を噛み込む 本数と太さから刻印を決める表を暗記。圧着後に端末を切る
差込形コネクタ 心線が奥まで入っていない、コネクタの外に心線が見える ストリップゲージで長さを合わせ、差し込み後に引いて確認
ランプレセプタクル・露出形コンセント のの字曲げが左巻き、心線が端子からはみ出す、絶縁被覆を締め付ける 右巻きに曲げ、ねじの下に被覆が入らない長さにする
引掛シーリング・端子台・遮断器 心線の露出が長い、絶縁被覆のはぎ取りが足りず被覆を締め付ける、締め付け不足 器具ごとのストリップ長を覚え、締めたら引いて確認
ボックス・電線管 ゴムブッシングの未装着、ロックナットの締め忘れ、電線管の接続不良 部材を先にボックスに付けてから配線する

出典: 電気技術者試験センター「技能試験に係る欠陥の判断基準等について」を分類ごとに整理。原文の各項目は必ず公式ページで確認してください。

自己採点を習慣にする

練習で作品を完成させたら、そのたびに判断基準を横に置いて自己採点してください。「完成した」と「欠陥がない」は別の状態で、自己採点なしに13問を回しても、同じ欠陥を13回繰り返すだけになります。とくにリングスリーブの刻印、心線の露出長、のの字曲げの向きは、慣れてきた頃に無意識に崩れやすい箇所です。本番では完成後の残り時間で、複線図と照らしながら接続箇所を1つずつ指差し確認する時間を最低3分は確保してください。

本番で欠陥を出しやすい3つの場面

  • 時間に追われて、リングスリーブの圧着後の端末処理や差込形コネクタの奥までの差し込み確認を飛ばす
  • 練習で使い慣れた寸法と本番の指定寸法が違い、切断してから気づく
  • 施工条件(接地側の色、接続方法の指定)を読み飛ばし、練習どおりに作ってしまう

工具と練習キットの選び方・必要な練習量

工具は、電気技術者試験センターが受験案内で示す指定工具を揃えたうえで、ケーブルストリッパーを追加するのが一般的です。電動工具以外は持ち込みが認められており、ストリッパーの有無で被覆のはぎ取りにかかる時間が大きく変わります。 練習キットは13問分の材料をまとめたものが市販されており、回数分(1回分・2回分・3回分)で選びます。

工具の揃え方

区分 工具 役割
指定工具 ペンチ 電線の切断、のの字曲げ、リングスリーブの端末切断
指定工具 ドライバ(プラス・マイナス) 器具のねじ締め、端子台への結線
指定工具 ナイフ(電工ナイフ) ケーブル外装のはぎ取り(ストリッパーで代替可)
指定工具 スケール 寸法の測定
指定工具 ウォーターポンププライヤ ロックナットの締め付け、電線管の接続
指定工具 リングスリーブ用圧着工具(JIS適合・柄が黄色のもの) リングスリーブの圧着
追加推奨 VVFケーブルストリッパー 外装と絶縁被覆のはぎ取りを短時間で行う
あると便利 合格クリップ・合格ゲージ類 接続前の電線の仮止め、ストリップ長の確認

工具は試験対策用のセットとして販売されており、単品で揃えるより手間がかかりません。圧着工具はJISに適合したものでないと刻印が判定されないため、必ず確認してください。ナイフはストリッパーで代替できますが、VVRケーブルの外装はぎ取りなど、ナイフでないと処理しにくい作業もあるので、指定工具どおりに持っておくのが無難です。

練習キットは何回分必要か

13問を1周するには1回分の材料が必要で、器具(ランプレセプタクル、スイッチ、コンセント、ボックス等)は繰り返し使えますが、ケーブルとリングスリーブ・差込形コネクタは消耗します。2周する前提なら2回分、または1回分に加えてケーブルとスリーブ・コネクタだけを買い足す方法があります。初めて工具に触る人は、基本作業の単体練習でケーブルを多く使うので、2回分を目安にすると足りなくなりにくいです。

必要な練習量の目安

練習量は「13問を最低1周、苦手な問題を含めて合計20問程度の通し施工」を目安にしてください。学科の受験直後から始めれば、技能試験までの約2か月で、平日30分の単体練習と休日に2〜3問の通し施工で到達できる量です。工具に慣れている人(製造・設備の仕事で工具を日常的に使う人)は1周+苦手問題の反復で足りることが多く、初めて工具に触る人は2周を前提にしてください。

学科と技能を独学で進める場合の勉強法とスケジュールは、別記事で詳しく整理しています。

READ ALSO — 電気工事士 電気工事士は独学で取れる?学科・技能試験別の勉強法とスケジュール

工具・練習キットを揃えるときの確認項目

  • 圧着工具はJIS適合品か(柄が黄色のリングスリーブ用)
  • ストリッパーは使用するケーブルの太さ(1.6mm・2.0mm)に対応しているか
  • 練習キットは今年度の候補問題に対応した材料構成か(年度で材料が変わることがある)
  • ケーブルとリングスリーブ・差込形コネクタは2周分あるか、または買い足せるか

AIで複線図と施工手順を確認する使い方

生成AIは、候補問題の複線図の描き方や施工手順の「自分の理解の確認」に使えます。ただし、AIは寸法や刻印の判定を間違えることがあるため、欠陥の判断基準そのものは必ず電気技術者試験センターの公式ページで確認してください。 AIに任せるのは「考え方の整理」と「自分の手順の抜けの指摘」に絞ります。

複線図と手順を確認するプロンプト

あなたは第二種電気工事士の技能試験の講師です。
私が書いた複線図の考え方と施工手順を確認し、抜けや誤りを指摘してください。

【候補問題】
- 令和8年度 候補問題 No.(番号)
- 配線図の構成: (例: 電源→ジョイントボックス→スイッチ1つ→ランプレセプタクル1つ、コンセント1つ、
  接続はリングスリーブとの指定)

【私の複線図の考え方】
1. 電源の接地側(白)はコンセントとランプレセプタクルへ直接つなぐ
2. 電源の非接地側(黒)はコンセントとスイッチへつなぐ
3. スイッチからの戻り線をランプレセプタクルへつなぐ
4. ジョイントボックス内の接続は(本数と太さ)→ リングスリーブ(刻印)

【私の施工手順】
(複線図→ケーブル切断→はぎ取り→器具結線→接続→確認、の順に自分の手順を箇条書き)

【確認してほしいこと】
1. 複線図の考え方に誤接続や色別違いにつながる点がないか
2. リングスリーブの刻印の判断が本数と太さに対して合っているか(判断の根拠を示す)
3. 施工手順に、欠陥の判断基準に照らして確認が抜けている工程がないか
4. 断定できない点は「公式の判断基準で確認」と書くこと。寸法や刻印を推測で断言しない

使うときの注意

AIの回答で「これで合格できます」のような断定が出た場合、それは根拠のない推測です。技能試験の合否は作品の欠陥の有無だけで決まり、AIは作品を見ていません。AIの指摘を受けた後は、必ず実際に施工し、公式の判断基準で自己採点してください。また、候補問題の内容は年度ごとに公表されるものを使い、AIが過去の年度の問題を混同していないかを、公式ページの候補問題と照らして確認してください。

まとめ

第二種電気工事士の技能試験は、公表済みの候補問題13問から1問が出題され、40分で欠陥のない作品を作れば合格です。合格率は7割前後(2025年度下期71.4%・電気技術者試験センター)で、不合格の多くは時間切れか欠陥1つです。

進め方は、基本作業の単体練習、13問分の複線図、通し施工の1周目、時間を計った2周目の4段階で、学科の受験直後から始めるのが時間配分の要点です。欠陥は判断基準がすべて公表されており、区分なく1つでも不合格になるため、練習のたびに自己採点する習慣が合否を分けます。工具は指定工具にストリッパーを加え、練習キットは初めての人なら2回分を目安に揃えてください。AIは複線図の考え方と手順の抜けの確認に使い、判定は公式の基準で行ってください。

シゴトのホント編集部

技能試験で落ちる人の話を聞くと、練習不足より「判断基準を読んでいなかった」が目立ちます。候補問題と同じページで公開されている数ページの資料です。工具を買う前に一度読んでおくだけで、練習の質が変わります。

参照ソース

FAQよくある質問

第二種電気工事士の技能試験は候補問題13問を全部練習しないとだめですか?

出題は候補問題13問のうち1問で、どれが出るかは試験当日まで分かりません。試験地によって出題される問題も異なります。13問すべてを最低1回は施工しておくのが前提で、苦手な問題は2〜3回繰り返すのが一般的な進め方です。

技能試験は欠陥が1つでもあると不合格ですか?

はい。電気技術者試験センターは合格基準を「作品に欠陥がないこと」としており、欠陥が1つでもあれば不合格です。かつての重大欠陥・軽微欠陥という区分はなく、公表されている欠陥の判断基準に該当するものはすべて不合格の理由になります。

学科試験に受かった年に技能試験に落ちたらどうなりますか?

学科試験に合格した人は、次回の試験に限り学科試験が免除され、技能試験から受け直せます。上期に学科合格・技能不合格だった場合、同じ年度の下期に技能試験だけを受験できます。

READ NEXTあわせて読みたい

電気工事士の志望動機の書き方|未経験・経験者別の例文とAI添削プロンプト
電気工事士の志望動機の書き方|未経験・経験者別の例文とAI添削プロンプト
電気工事士 きつい理由を徹底解説|現場・時間・見習い期間の実態
電気工事士 きつい理由を徹底解説|現場・時間・見習い期間の実態
第一種電気工事士の年収はいくら?第二種との差・資格手当・独立後の相場を解説
第一種電気工事士の年収はいくら?第二種との差・資格手当・独立後の相場を解説