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電気工事士は独学で取れる?学科・技能試験別の勉強法とスケジュール

電気工事士は独学で取れる?学科・技能試験別の勉強法とスケジュール

真っ先に思うのは「電気工事士の資格は独学で取れるのか、スクールに通うべきか」という迷いでしょう。学科と技能、性質の違う2つの試験を、独学で乗り切れるのか不安な人も多いはずです。

結論から言うと、第二種電気工事士は独学でも合格を狙える資格です。受験資格に制限がなく、学科試験は市販テキストと過去問、技能試験は事前に公表される候補問題を使えば対策できます。この記事では公式データで見る独学合格の現実、学科・技能それぞれの勉強法とスケジュール、独学とスクールどちらが向いているかを解説します。

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電気工事士は独学で合格できるのか|公式データで見る合格率の現実

第二種電気工事士には年齢・学歴・実務経験を問う受験資格がありません。電気技術者試験センターも「実務経験は不要で、誰でも受験可能」と案内しており、資格取得の入り口自体は独学者にも開かれています。

とはいえ気になるのは実際の合格率です。センターが公表している直近の試験結果は次のとおりです。

年度 学科試験 合格率 技能試験 合格率
令和8年度(上期) 62.2% 73.4%
令和7年度 56.6% 71.8%
令和6年度 58.2% 70.2%
令和5年度 59.4% 71.1%

学科は56〜62%、技能は70〜73%台で推移しており、実技である技能試験のほうが学科試験より合格率が高い年が続いています。「独学だと実技の技能試験が一番の壁になる」と身構えがちですが、実際は候補問題という明確な出題範囲があるぶん、対策の的が絞りやすいことの表れともいえます。

独学を検討する前に確認したい3点

  • 受験資格に制限はなく、実務未経験でも申し込める
  • 学科試験は120分・50問の四肢択一(一般問題約30問+配線図問題約20問)
  • 技能試験は事前公表の候補問題13問の中から1問が出題され、試験時間は40分

学科・技能とも出題の骨格が事前に分かっているぶん、市販教材で独学対策を組み立てやすい試験だと言えます。

ただし注意したいのは、この合格率は受験者全体の数字であり、独学者だけを切り出した統計ではないという点です。スクールや通信講座の受講者も含めた数字なので、「独学でもこの合格率に届く」と単純に読み替えることはできません。あくまで試験全体の難易度の目安として捉え、学科・技能それぞれの対策を自分の生活リズムに落とし込めるかどうかで、独学の可否を判断するのが実際的です。

試験は上期・下期の年2回実施されるため、一方の回で不合格になっても、同じ年度のうちにもう一度挑戦できるのも独学者には心強いポイントです。受験手数料はインターネット申込みで11,100円(郵送申込みは12,500円)で、ここにテキスト代と技能試験の練習材料費が加わるのが独学の総費用のおおよその内訳です。スクールや通信講座の受講料が乗らないぶん、独学は総費用を抑えやすい反面、疑問点をその場で質問できる相手がいないというトレードオフも理解したうえで選ぶ必要があります。

また、令和5年度に学科試験がCBT方式にも対応してから、試験日を自分で選べる自由度が上がった点も独学者には有利に働いています。仕事のシフトや家庭の予定に合わせて試験日を後ろに動かせるため、「勉強が間に合わないまま本番を迎える」というリスクを独学でも抑えやすくなりました。次の章から、学科・技能それぞれの独学の進め方を見ていきます。

学科試験の独学勉強法|市販テキストと過去問の使い方

学科試験は四肢択一方式で50問、120分の試験です。出題は一般問題が約30問、配線図問題が約20問という配分で、電気の基礎理論から法令、配線図の読み取りまで範囲は広いものの、聞かれ方のパターンは毎年大きくは変わりません。独学で対策するなら、次の順番で進めると回り道になりません。

独学のスケジュールを大まかなモデルにすると、次のような組み方になります。仕事や家事と両立しながらでも、試験日から逆算して週単位で区切ると進捗が把握しやすくなります。

期間 やること 目的
1〜2週目 テキストを通読 出題分野の全体像をつかむ
3〜6週目 過去問を分野別に演習 弱点分野を洗い出す
7〜8週目 過去問を通し(120分)で演習 時間配分に慣れる
直前1週間 間違えた問題だけ復習 取りこぼしを減らす

テキストで全体像をつかむ

最初の1〜2週間は、市販の学科試験対策テキストを通読して全体像をつかみます。数式やJIS図記号を完璧に覚えようとせず、「どの分野に何が出るか」の地図を作る段階と割り切るのがコツです。学科試験は基礎理論から法令まで複数分野から出題されるため、独学では得意分野に偏りがちですが、最初の通読の段階で「苦手そう」と感じた分野に付箋を貼っておくと、後の過去問演習で優先して回せます。

過去問を繰り返し解く

土台ができたら、過去問演習に比重を移します。電気技術者試験センターは過去の試験問題と解答を公式サイトで公開しており、市販の過去問題集もこれをもとに作られています。同じ範囲の問題が形を変えて繰り返し出るため、直近5年分を2〜3周する頃には合格ラインの60%(30問正解)を安定して超えられるようになります。

配線図問題は後回しにしない

一般問題に比べて配線図問題は後回しにされがちですが、約20問と配点が大きいうえ、この後の技能試験の複線図の読み方に直結します。学科の段階で図記号と結線の関係を覚えておくと、技能試験の勉強がそのぶん楽になります。独学で配線図問題を解くときは、次の3つの視点を意識すると読み違いが減ります。

  • 電線の太さと許容電流の対応関係
  • 器具の図記号が何を表しているか(点滅器・コンセント・分電盤など)
  • 過電流遮断器やスイッチの結線が図のどこに対応しているか

これらは配線図問題だけでなく、技能試験で候補問題の単線図を読み解くときにもそのまま使う視点なので、学科の勉強の中で早めに慣れておく価値があります。

直前期は模擬試験形式で仕上げる

試験の1〜2週間前になったら、過去問を分野別ではなく1年分まとめて、本番と同じ120分で通しに解く練習に切り替えます。分野ごとに解いているときは正解できていても、120分という制限時間の中で50問すべてに配分よく取り組めるかは別問題です。独学では時間配分の感覚を教えてくれる人がいないぶん、この通し演習を複数年度分こなしておくと、本番での焦りをかなり減らせます。

CBT方式と筆記方式、どちらで申し込むか

学科試験にはCBT方式と筆記方式があります。筆記方式は指定された1日だけの実施ですが、CBT方式は1カ月以上の受験期間の中から自分で日程を選べます。独学で仕事や家事と両立しながら勉強するなら、学習の進み具合に合わせて試験日を後ろ倒しできるCBT方式のほうが、独学者にとってスケジュールの融通が利きます。

技能試験の独学対策|候補問題の公表と練習キットの活用

技能試験は、候補問題と呼ばれるNo.1〜No.13の配線図があらかじめ公表され、本番ではこの13問の中から1問が出題されます。電気技術者試験センターは「使用する材料・工具等を考慮して作成した」候補問題を年度ごとに公表しており、試験時間はすべての問題で40分と決まっています。

つまり技能試験は、出題範囲が非公開の学科試験とは違い、練習すべき対象が13問に絞られているのが最大の特徴です。独学であっても、13問すべてを時間内に組み立てられるようになれば、本番で見たことのない課題に当たることはありません。

電気工事士の技能試験を独学で対策するために揃えたい4つの準備物、候補問題13問の複線図・練習キット・工具一式・複線図の書き方テキストを示した図解

候補問題は年度単位で公表され、その年度の上期試験と下期試験はどちらも同じ13問の中から出題されます。公表から試験本番までのおおまかな流れは次のとおりです。

時期 できごと
1月頃 その年度の候補問題13問が公式サイトで公表される
4〜6月頃 上期の学科試験(CBT方式・筆記方式)
7月頃 上期の技能試験(候補問題13問から1問出題)
9〜11月頃 下期の学科試験(CBT方式・筆記方式)
12月頃 下期の技能試験(候補問題13問から1問出題)

下期に挑戦する場合は、上期の受験者より長く候補問題に触れる時間があるぶん、13問すべてを複数回ずつ練習する余裕が生まれます。

候補問題の公表は年度の1月頃なので、上期(7月頃の技能試験)を選ぶと準備期間は半年ほど、下期(12月頃の技能試験)まで待てば1年近い準備期間を確保できます。独学で初めて工具を扱う人や、学科・技能を無理なく両立させたい人は、あえて上期を見送って下期に照準を合わせるという選び方も現実的な戦略です。転職やキャリアアップの時期が決まっているなら、そこから逆算してどちらの回を受けるかを先に決めておくと、学科・技能それぞれの学習計画が立てやすくなります。

独学で技能試験に取り組むときは、練習する場所と時間をあらかじめ決めておくことも重要です。工具や電線くずが出る作業なので、自宅で練習するなら新聞紙やレジャーシートを敷けるスペースを確保し、週に何回・何時間を練習に充てるかを候補問題の公表直後に決めてしまうと、「時間はあったのに手をつけずに本番が近づいていた」という独学にありがちな失敗を防げます。

複線図を書けるようにする

候補問題として公表されるのは単線図です。本番ではまず単線図から複線図を書き起こし、それをもとに部材を選んで結線していくため、独学の第一関門は複線図を素早く正確に書けるようにすることです。13問の単線図を見ただけで複線図が思い浮かぶくらいまで、繰り返し書く練習をします。

練習キットと工具をそろえる

候補問題13問分の電線・器具をまとめた練習キットが市販されており、独学者の多くがこれを使って実際に手を動かして練習します。工具はペンチ・ドライバー・ワイヤストリッパーなど一式が必要になるため、学科試験の合否を待たず、早めにそろえておくと技能試験対策にすぐ取りかかれます。電線は一度切って結線すると再利用できないため、13問を複数周する前提で少し多めに用意しておくと、練習の途中で材料が足りなくなる事態を避けられます。

欠陥の判断基準も合わせて確認する

技能試験は「時間内に完成させれば合格」ではなく、電線の被覆を傷つけていないか、器具への結線が正しいかといった施工上の欠陥がないかで採点されます。電気技術者試験センターは候補問題とあわせて欠陥の判断基準も公式サイトで公開しているため、独学であっても自己流の仕上がりで満足せず、この基準に沿ってセルフチェックする習慣をつけておくことが合格への近道です。

40分で通しで組み立てる練習をする

候補問題の公表から試験本番までは半年前後の期間があります。最初は時間を気にせず1問ずつ正確に仕上げ、慣れてきたら本番と同じ40分で通しで組み立てる練習に切り替えます。時間内に終わらない状態のまま本番を迎えるのが独学最大のリスクなので、試験の2〜3週間前には13問すべてを40分以内で完成させられるかを確認しておきたいところです。

独学が向いている人・スクールが向いている人

独学でつまずきやすい3つの落とし穴

  • 学科の配線図問題を後回しにし、技能試験の複線図で二重につまずく
  • 候補問題13問のうち手を付けていない問題を残したまま本番を迎える
  • 欠陥の判断基準(施工上のミス)を自己流のまま確認せず、本番で同じミスを繰り返す

独学とスクール・通信講座は、費用・ペース・サポートの3点で性格が大きく異なります。ざっくり整理すると次のようになります。

比較項目 独学 スクール・通信講座
費用感 テキスト代・材料費・工具代が中心で抑えやすい 受講料が加わり総額は上がりやすい
学習ペース 自分の生活リズムに合わせて自由に組める カリキュラムに沿って強制的に進む
技能試験のサポート 欠陥の判断基準を自分で確認する必要がある 講師にその場で結線を見てもらえる
向いている状況 半年前後の準備期間を確保できるとき 試験までが短い・実技に不安が強いとき

これらを踏まえると、独学が向いているのは次のようなタイプです。

  • 平日の夜や休日にまとまった学習時間を継続して確保できる — 学科・技能とも独学は自己管理が前提になるため、勉強時間を生活に組み込める人ほど計画通りに進みます。
  • 参考書や動画を見ながら自分のペースで進めるのが苦にならない — 疑問点をその場で質問できない分、テキストや過去問の解説を読み込んで自己解決する姿勢が必要です。
  • 工具や電線に触れること自体に抵抗がない — 技能試験は手を動かす練習量がそのまま結果に直結するため、初めての工具作業にも臆せず取り組めるかが分かれ目になります。

反対に、次のようなタイプはスクールや通信講座も選択肢に入れたほうが近道です。

  • 試験本番まで時間が少なく、独学で1からペースを組む余裕がない — 候補問題13問の練習には一定の期間が要るため、残り期間が短いほど独学のハードルは上がります。
  • 複線図や結線の欠陥判断を独学で確認する自信がなく、実技を直接指導してほしい — 欠陥の判断基準は公開されていますが、実際の仕上がりが基準を満たしているかの判断は独学では不安が残りやすい部分です。
  • 学科・技能を一人で並行して進めるモチベーション管理が不安 — 決まったカリキュラムと提出物があるスクール・通信講座は、独学で挫折しやすい人には有効な選択肢です。

仕事や家事と両立しながら独学をやり切れるかどうかは、勉強時間そのものより「決めたスケジュールを崩れたときに立て直せるか」で決まることが多いです。1週間分の遅れが出た時点で計画を組み直す、くらいの柔軟さを最初から織り込んでおくと、独学に挫折しにくくなります。

資格取得後にどんな働き方になるのか、電気工事士という仕事そのものへの不安がある人は、電気工事士はやめとけと言われる理由|実態と誤解、資格取得の判断基準も判断材料にしてみてください。

シゴトのホント編集部

第二種電気工事士は、受験資格が無く出題範囲もある程度絞られているため、資格試験の中では独学との相性がよい部類です。「学科は過去問、技能は候補問題」という対策の型が最初から決まっているぶん、教材選びに迷う時間を減らして、手を動かす時間に回せるかどうかが独学成功の分かれ目になります。逆に言えば、この型さえ外さなければ、資格の勉強に慣れていない人でも独学でつまずきにくい試験だとも言えます。まずは候補問題13問を一度眺めて、13問すべてを組み立てられるようになった自分を想像できるかどうかを、独学を始める前の判断材料にしてみてください。

参照ソース

FAQよくある質問

電気工事士は独学でも合格できますか?

できます。第二種電気工事士は受験資格に制限がなく、学科試験は市販テキストと過去問、技能試験は事前に公表される候補問題を使えば独学でも十分に合格を狙えます。

技能試験の候補問題はいつ、何問公表されますか?

電気技術者試験センターが年度ごとに1月頃、候補問題No.1〜No.13の13問を公式サイトで公表します。実際の試験ではこの中から1問が出題され、試験時間は40分です。

独学と電気工事士スクールはどちらを選ぶべきですか?

自分のペースで学習時間を確保でき、複線図や工具の扱いに抵抗がなければ独学で対応できます。試験までの期間が短い、実技を人に教わりたい場合はスクールや通信講座が向いています。

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