「第二種電気工事士の過去問、どこで手に入るのか分からない」「解いてはみたけれど、どこが頻出分野なのか判断できない」——そんな不安を抱えていませんか。
結論から言うと、過去問は一般財団法人電気技術者試験センターの公式サイトで学科・技能とも無料で公開されています。この記事では試験の構成、公式の過去問公開状況、頻出分野の傾向、直前1週間の対策スケジュールを解説します。
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第二種電気工事士試験の構成|学科・技能の2段階
第二種電気工事士試験は、学科試験と技能試験の2段階で構成されています。学科試験に合格した人、または実務経験などで学科試験を免除された人だけが、技能試験に進める仕組みです。受験資格に実務経験は不要で、誰でも受験できる試験でもあります。合格すると、一般家庭や商店などの屋内配線設備や、小規模な太陽電池発電設備などの工事に従事できるようになります。
学科試験は、問題用紙とマークシートを使う筆記方式と、パソコン画面で解答するCBT方式のどちらかを選んで受験します。出題は四肢択一で50問、試験時間は120分です。出題科目は次の7つに分かれています。
- 電気に関する基礎理論
- 配電理論及び配線設計
- 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般用電気工作物等の検査方法
- 配線図
- 一般用電気工作物等の保安に関する法令
技能試験は、持参した工具を使い、配線図で指定された回路を支給材料で時間内に完成させる実技試験です。試験時間は40分で、公式には次の9つの事項の中から実施されます。
- 電線の接続
- 配線工事
- 電気機器及び配線器具の設置
- 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
- コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
- 接地工事
- 電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
- 一般用電気工作物等の検査
- 一般用電気工作物等の故障箇所の修理
学科試験の合格者、または高等学校等で電気工事士法に定める電気系の科目を履修して卒業した人などは、学科試験が免除される場合があります。ただし卒業証明書だけでは免除の対象にならず、試験センターが指定する免除用の証明書が別途必要です。自分が免除対象かどうかは、出願前に卒業校か試験センターに確認しておくと安心です。
学科・技能の違いを整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 学科試験 | 技能試験 |
|---|---|---|
| 試験方式 | 筆記(マークシート)またはCBT方式 | 持参工具による配線作業 |
| 出題数・時間 | 50問(四肢択一)・120分 | 候補問題13問から1問出題・40分 |
| 受験条件 | 誰でも受験可能 | 学科試験合格者または免除者のみ |
| 実施回数 | 年2回(上期・下期) | 年2回(上期・下期) |
試験は年2回、上期と下期に実施されます。学科試験に合格すると数か月後に技能試験が行われる流れで、受験手数料はインターネット申し込みで11,100円、郵送申し込みで12,500円です(令和8年度時点)。
直近4年度の合格率を見ると、学科・技能ともに大きな乱高下はなく、安定した水準で推移しています。
| 年度 | 学科試験合格率 | 技能試験合格率 |
|---|---|---|
| 令和7年度 | 56.6%(受験139,087名) | 71.8%(受験99,610名) |
| 令和6年度 | 58.2%(受験132,462名) | 70.2%(受験94,238名) |
| 令和5年度 | 59.4%(受験134,025名) | 71.1%(受験95,337名) |
| 令和4年度 | 55.9%(受験145,088名) | 72.6%(受験97,659名) |
学科はおおむね55〜60%、技能はおおむね70〜73%で推移しており、過去問と候補問題を使った対策の効果が出やすい試験だといえます。
令和8年度下期の試験日程
これから受験する人向けに、令和8年度下期の日程を確認しておきます。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 申込受付 | 2026年8月17日〜9月3日 |
| 学科試験(CBT方式) | 2026年9月24日〜11月8日 |
| 学科試験(筆記方式) | 2026年10月25日 |
| 技能試験 | 2026年12月12日または13日 |
CBT方式は期間内で自分の都合に合わせて受験日を選べるのに対し、筆記方式は指定された1日しかありません。直前1週間の使い方は、自分が選んだ方式によって微妙に調整する必要があります。
過去問はどこで手に入るか|一般財団法人電気技術者試験センター公式の過去問公開状況
過去問を探すときは、まず一般財団法人電気技術者試験センターの公式サイトを確認してください。学科・技能とも、本番で実際に出題された問題と解答がPDFで無料公開されています。
学科試験の過去問は年度ごとに公開されている
学科試験のページでは、令和6年度上期(2024年5月26日)、令和6年度下期(2024年10月27日)、令和7年度上期(2025年5月25日)、令和7年度下期(2025年10月26日)、令和8年度上期(2026年5月24日)というように、実施回ごとに問題冊子と解答がPDFでまとまっています。ページ下部の送りをたどればさらに古い年度分も確認できるので、最新の1年分だけでなく複数年度を解いて出題の癖をつかむのがおすすめです。直近3年分を解けば、出題される図記号や法令の言い回しのパターンはほぼ網羅できます。
ただし公式サイトで公開されているのは「問題」と「解答」のみで、解説は付いていません。間違えた理由がその場で説明できない設問は、参考書やテキストの解説と突き合わせて理解を埋めるようにしましょう。
技能試験は「候補問題」がそのまま試験範囲になる
技能試験については、本番の数か月前に候補問題が公表される点が学科試験と大きく違います。令和8年度は令和8年1月16日付でNo.1からNo.13までの候補問題13問が公表され、本番はこの13問の配線図の中から1問が出題される仕組みになっています。試験時間はすべての問題について40分で統一されており、候補問題の公表資料には「詳細についての質問には一切応じられません」という注記もあります。つまり過去問というより「候補問題そのものが試験範囲」であり、13問すべての複線図を書けるようにしておくことが技能試験対策の土台になります。
過去問を探すときに確認したい3点
- 学科試験は公式サイトのPDFで複数年度分の問題・解答を確認できる
- 技能試験は候補問題(例年13問)がその年度の出題範囲そのもの
- 候補問題は例年1月ごろに公表されるため、公表後は最新のものを使う
過去問の効果的な使い方|頻出分野の傾向
学科試験は配線図問題の比重が高い
学科試験の50問のうち、配線図に関する問題はおよそ20問、残りおよそ30問が基礎理論や法令などの一般問題です。出題の4割前後を配線図問題が占めるため、過去問演習では配線図の記号や複線図の書き方に慣れることが得点への近道になります。7科目のうち実際に得点差がつきやすいのは配線図問題と施工方法で、過去問を年度別に解くと出題パターンが数年単位で似た構成になっていることが分かります。
配線図問題には主に3つのパターンがあります。配線図の中の器具や電線の図記号が何を表すかを判別する問題、単線図で示された配線を複線図に描き直す問題、使用する電線の本数や太さ・器具の施工方法を答える問題です。過去問を解くときは、このうちどのパターンで間違えたかを記録しておくと、直前期の復習が効率的になります。
過去問を使うときのポイントは次の3つです。
- まず配線図問題から解く — 出題比率が高く、図記号のパターンは年度が変わっても大きくは変わらない
- 間違えた問題は科目ごとに集計する — 7科目のうちどこが弱いかを可視化してから復習する
- 技能は候補問題13問を周回する — 過去問というより候補問題そのものを繰り返し複線図に落とし込む
頻出3科目の対策ポイント
- 配線図 — 図記号と複線図の変換に慣れる。出題比率が最も高い
- 電気工事の施工方法 — 工具・材料ごとの正しい使い方を過去問で確認する
- 一般用電気工作物等の保安に関する法令 — 数字や期間を問う設問が多いので繰り返し暗記する
過去問の解き方は、1周目は時間を気にせず全問解いて知識の抜けを洗い出し、2周目は120分の制限時間内で解き直して時間配分を確認し、3周目は間違えた問題と配線図問題だけに絞って繰り返す、という3周構成にすると学科・技能どちらも効率よく仕上がります。
技能試験は複線図を素早く描けるかが分かれ目
技能試験は、電線の接続や配線工事など9つの事項の中から出題されますが、実際の採点は公式サイトで公表されている「欠陥の判断基準」に沿って行われます。基準は「未完成のもの」「配置・寸法・接続方法等の相違」「誤接続・誤結線」「電線の色別・配線器具の極性の相違」「電線の損傷」「リングスリーブによる圧着接続部分の不良」など複数の観点に分かれています。1問だけ完璧に仕上げる練習より、13問すべてで複線図を素早く描き、電線の被覆むきやリングスリーブでの圧着接続など共通作業を安定してこなせるようにするほうが、この基準に照らして減点されにくい仕上がりにつながります。学科試験は7科目に範囲が広がる一方、技能試験は候補問題13問という母数が決まっているぶん、的を絞りやすい試験だといえます。
直前1週間の対策スケジュール
直前の1週間は、新しい範囲に手を広げるより、過去問と候補問題の「解き直し」に時間を使うほうが得点に直結します。学科試験だけを控えている人は過去問の周回に、技能試験だけを控えている人は候補問題13問の複線図演習に時間を寄せるなど、自分がどちらの段階にいるかで配分を調整してください。
- 7〜6日前: 学科の過去問を1年分通しで解き、時間配分と配線図問題の正答率を確認する
- 5〜4日前: 間違えた科目だけを絞って復習する。法令や施工方法など暗記系を優先する
- 3〜2日前: 技能試験の候補問題13問の複線図を、時間を計りながら全問書き直す
- 前日: 工具・材料と受験票を最終確認する。新しい問題には手を出さない
7〜6日前にまず過去問を1年分通しで解くのは、直前期の自分の実力を客観視するためです。120分という制限時間の中で、どの科目に時間がかかっているかを把握できます。5〜4日前は、7科目の中でも得点差がつきやすい配線図と施工方法を中心に、間違えた問題だけをピンポイントで復習します。法令のように数字を問う分野は、直前期の詰め込みでも得点が伸びやすいところです。
3〜2日前からは技能試験の比重を上げます。候補問題13問を、本番と同じ40分という制限時間を意識しながら、複線図を書く工程まで含めて練習してください。前日は新しい候補問題に手を出さず、工具・材料・受験票の確認に時間を使います。前日に不慣れな作業を練習して、焦って手元が狂うという事態を避けるためです。
前日までに揃えておきたいもの
- 受験票・本人確認書類
- 技能試験用に使い慣れた工具一式
- 交換用の消耗品(電線の予備・圧着工具の予備刃など)
直前1週間にやりがちな失敗
- 新しい参考書に手を広げて、演習量が中途半端なまま本番を迎える
- 候補問題13問のうち得意な数問だけ練習し、苦手な問題を後回しにする
シゴトのホント編集部
過去問は「解く」だけでなく「間違えた理由を科目に分類する」ところまでやると、残りの学習時間の使い方が変わります。技能試験は候補問題が試験範囲そのものなので、直前期は新しい問題を探すより13問の反復に時間を使うほうが得点効率がよいはずです。
参照ソース
- 電気工事士の資格概要|電気技術者試験センター — 受験資格に実務経験が不要であること、第二種電気工事士の工事範囲
- 第二種電気工事士試験|電気技術者試験センター — 令和8年度下期の試験日程(申込受付・学科・技能)と受験手数料
- 第二種電気工事士の試験概要|電気技術者試験センター — 学科・技能の2段階構成、技能試験の評価項目、年2回の実施と受験手数料
- 第二種電気工事士の学科試験のポイント|電気技術者試験センター — 学科試験の出題数(50問)・試験時間(120分)・出題形式・出題科目
- 第二種電気工事士の技能試験の候補問題|電気技術者試験センター — 候補問題13問(No.1〜No.13)の公表、出題方法、試験時間40分
- 第二種電気工事士試験の問題と解答|電気技術者試験センター — 学科・技能の過去問と解答の公開状況、年度ごとの実施日
- 第二種電気工事士試験の試験結果と推移|電気技術者試験センター — 令和4〜7年度の学科・技能の受験者数・合格者数・合格率
- 技能試験に係る欠陥の判断基準等について|電気技術者試験センター — 技能試験の採点で使われる欠陥判断基準の分類
- 学科試験免除について詳しく教えてください|電気技術者試験センター — 学科試験免除の対象者、証明書の要件


