求人票でよく見る表現を15語集めました。「この表現が書いてある=危ない会社」とは書きません。同じ表現が、実態の違う会社で同じように使われるからです。代わりに、求人票のどこを見れば確かめられるかと、面接でそのまま聞ける質問を各語に付けました。質問はボタンでコピーできます(コピーはブラウザの中だけの動作で、どこにも送信しません)。
この辞典の使い方
表現を見たら、3つの順に進みます
- 言い換える — その表現が何の言い換えとして使われているかを知る
- 求人票で探す — 同じ求人票の中に、確かめられる数字(年間休日数・平均年齢・基本給)があることが多い
- 面接で聞く — 求人票に書かれていないものだけを質問に回す
求人票で確かめられることを面接で聞くと、質問の枠を1つ無駄にします。先に求人票を読み切ってから、残ったものを聞いてください。面接の逆質問そのものの組み立て方は面接の逆質問にまとめています。
表現から探す
アットホームな職場
社風少人数で距離が近い職場を指して使われることが多い表現です。職場の雰囲気は受け取る人によって評価が変わるため、この一語から人間関係の良し悪しは判断できません。距離の近さを歓迎する人と、負担に感じる人で評価が割れます。
求人票のどこを見るか
- 従業員数と平均年齢(少人数かどうかで意味が変わる)
- 同じポジションの募集が短い間隔で繰り返し出ていないか
面接で聞く質問
- 勤務時間外の行事や懇親会は、年にどのくらいありますか。参加は任意ですか。
- 直近1年で、この部署に入られた方と退職された方はそれぞれ何人ですか。
若手が活躍しています
社風平均年齢が低いことの言い換えとして使われます。若いうちから任される環境である場合と、上の年次が定着していない場合の両方があり、どちらなのかは求人票だけでは分かりません。
求人票のどこを見るか
- 平均年齢と従業員数
- 役職者の年齢層や在籍年数が書かれているか
- 募集の背景欄(増員か欠員補充か)
面接で聞く質問
- いまこの職種で一番在籍が長い方は何年目ですか。
- 直近3年の、この職種の退職者数を差し支えない範囲で教えてください。
風通しが良い
社風意見を言いやすいという意味で使われますが、判断の基準が人によって違います。面談の頻度や評価の仕組みといった制度に置き換えて聞くと、会社ごとの差が見えます。
求人票のどこを見るか
- 評価制度・面談制度の記載があるか
- 提案制度や1on1の頻度が書かれているか
面接で聞く質問
- 上司との面談は何か月に1回ありますか。
- 現場からの提案が通った直近の例を1つ教えてください。
幹部候補
募集の背景将来の管理職を見込んだ採用を指します。昇格の時期と条件が求人票に書かれていない場合、いつ・何をもって幹部になるのかは確認しないと分かりません。入社直後の仕事内容は一般の募集と同じこともあります。
求人票のどこを見るか
- 想定している昇格の年次が書かれているか
- 役職手当の有無と金額
- 給与レンジの上限(幹部になった場合の水準が見える)
面接で聞く質問
- 幹部候補として入社された方が実際に役職に就くまで、平均で何年かかっていますか。
- 昇格はどなたが、どの基準で判断しますか。
裁量が大きい
働き方・休み自分で決められる範囲が広いという意味のほか、担当者が少なく一人で抱える範囲が広い状況を指して使われることもあります。裁量労働制(みなし労働時間制)の適用とは別の話なので、労働時間の制度欄を分けて見ます。
求人票のどこを見るか
- 労働時間の制度欄に裁量労働制・みなし労働時間制の記載があるか
- 記載がある場合、みなし時間が何時間か
- 同じ業務を担当するチームの人数
面接で聞く質問
- この仕事は何人のチームで担当していますか。
- 裁量労働制の対象ですか。対象の場合、みなし労働時間は何時間ですか。
未経験歓迎
募集の背景経験を問わず応募できるという条件の提示です。教育体制が整っている場合と、募集の母集団を広げたい場合の両方で使われます。どちらであっても、研修の中身と試用期間中の条件を確認すれば差が分かります。
求人票のどこを見るか
- 研修期間の日数と内容
- 試用期間中の給与・手当・勤務時間が本採用と同じか
- 同じ求人が繰り返し掲載されていないか
面接で聞く質問
- 未経験で入社された方は、独り立ちまで平均で何か月かかっていますか。
- 研修期間中の給与と勤務時間は、本採用後と同じですか。
固定残業代◯時間分を含む
待遇・お金あらかじめ決めた時間分の残業代を、毎月の給与にあらかじめ含める仕組みです。含まれる時間数が多いほど、提示額に対して前提となる労働時間が長くなります。時間数と、その時間を超えた分が別に支払われるかを見ます。
求人票のどこを見るか
- 固定残業代を除いた基本給がいくらか
- 何時間分が含まれているか
- 固定分を超えた残業代を別に支払う旨の記載があるか
面接で聞く質問
- 固定残業代を除いた基本給はいくらになりますか。
- この職種の直近3か月の平均残業時間を教えてください。
条件の書き方の決まりは労働条件の明示(厚生労働省「確かめよう労働条件」)で確認できます。
年収例◯◯万円
待遇・お金在籍している人の実例として示される金額です。何年目・どの役職の例か、賞与や残業代を含むかで中身が変わります。応募者全員がその金額になるという意味ではありません。
求人票のどこを見るか
- 年収例の内訳(基本給・賞与・各種手当・残業代)
- 何年目・どの等級の例か
- 給与レンジの下限(提示されうる最低額)
面接で聞く質問
- その年収例は何年目、どの等級の方の例ですか。
- 同じ年次の方の場合、下限はいくらくらいになりますか。
頑張り次第で高収入
待遇・お金歩合や賞与の比率が高い給与体系で使われることが多い表現です。固定部分と変動部分の割合を見ないと、平均的にいくらになるのかは分かりません。
求人票のどこを見るか
- 固定給と歩合の割合
- 歩合の計算式が示されているか
- 賞与の支給実績(何か月分か)
面接で聞く質問
- 固定給と歩合の比率を教えてください。
- この職種の方の昨年の支給額は、中央値でいくらくらいですか。
週休2日制/完全週休2日制
働き方・休み求人票で使い分けられている表記です。「完全週休2日制」は毎週2日の休み、「週休2日制」は月に1回以上2日の休みがある週があることを指して使われます。どちらの表記であっても、年間休日数を見れば実際の休みの量が分かります。
求人票のどこを見るか
- 年間休日数(表記の違いより確実)
- 祝日・夏季・年末年始が年間休日に含まれるか
- シフト制かどうか
面接で聞く質問
- 年間休日は何日ですか。祝日と夏季休暇は含まれていますか。
- 休日出勤は年に何回くらいありますか。振替休日は取れていますか。
シフト制
働き方・休み勤務日と勤務時間が期間ごとに決まる働き方です。休みの取りやすさは、シフトが確定する時期と希望の通り方で変わるため、そこを聞くと生活のイメージが立ちます。
求人票のどこを見るか
- 勤務時間帯の種類(早番・遅番・夜勤の有無)
- 深夜勤務・宿直の有無と手当
- 年間休日数
面接で聞く質問
- シフトはいつ確定しますか。何日前に分かりますか。
- 希望休は月に何日まで出せますか。連休は取れていますか。
試用期間あり
契約・条件本採用の前に適性を見る期間です。期間中の給与・手当・勤務時間が本採用後と異なる場合があるため、条件が求人票に書かれているかを見ます。
求人票のどこを見るか
- 試用期間の長さ
- 期間中の給与・手当(本採用後との差)
- 本採用の判断基準が示されているか
面接で聞く質問
- 試用期間中の給与・手当・勤務時間は、本採用後と同じですか。
- 本採用に至らなかった例はありますか。どのような場合ですか。
試用期間の扱いは試用期間(厚生労働省「確かめよう労働条件」)と試用期間のホントにまとめています。
急募/大量募集
募集の背景欠員の補充、受注や店舗の増加、組織の新設など、背景は複数あります。背景を聞くと、入社後に自分が引き受ける状況が具体的に分かります。
求人票のどこを見るか
- 募集人数と募集の背景欄
- 同じ求人の掲載履歴(繰り返し出ていないか)
面接で聞く質問
- 今回の募集は増員ですか、欠員の補充ですか。
- 前任の方はどのくらい在籍されていましたか。
研修充実/資格取得支援あり
契約・条件研修や支援があること自体の説明で、日数・内容・費用の負担範囲までは分かりません。資格取得支援は、受験費用を誰が負担するか、一定期間内に退職した場合の返還の決まりがあるかで実質が変わります。
求人票のどこを見るか
- 研修期間の日数と内容(座学か現場か)
- 資格取得支援の費用負担の範囲
- 支援を受けた後に退職した場合の取り扱いの記載
面接で聞く質問
- 研修は何日間で、座学と現場のどちらが中心ですか。
- 資格の受験費用は会社負担ですか。退職した場合の返還の決まりはありますか。
転勤なし(当面)/原則転勤なし
契約・条件「当面」「原則」が付く場合、将来の可能性を残した書き方になっています。入社時に受け取る労働条件通知書には就業場所と業務の変更の範囲が記載されるため、内定後はそこで確認できます。
求人票のどこを見るか
- 就業場所欄に「当面」「原則」などの限定語が付いていないか
- 勤務地が複数書かれていないか
- 労働条件通知書の「変更の範囲」の欄
面接で聞く質問
- 転勤の可能性がある拠点はどこですか。
- 直近3年で、この職種の方の転勤は何件ありましたか。
条件の書き方の決まりは労働条件の明示(厚生労働省「確かめよう労働条件」)で確認できます。
求人票と実際の条件が違っていたら
入社前に示された条件と、入社後の実際の条件が違う場合は、労働条件の明示のルールに関わります。何をどこまで示すことになっているかは労働条件の明示(厚生労働省)にあります。条件の食い違いや退職の扱いで困ったときの公的な相談先は総合労働相談コーナー(厚生労働省)です。相談は無料で、予約なしで利用できます。
入社後に条件が違ったときに何ができるかは入社後のギャップに、試用期間中の扱いは試用期間のホントにまとめています。
この辞典が置いている前提
書いていること・書いていないこと
- 書いていること — その表現が何の言い換えとして使われるか、求人票のどこで確かめられるか、面接で聞ける質問
- 書いていないこと — 「この表現がある会社は避けるべき」という判断。同じ表現が実態の違う会社で同じように使われるため、表現からは決まりません
- 会社名・求人の実名は扱いません。判断の手順だけを置いています
この辞典に足したほうがよい表現や、記載の誤りにお気づきの場合は、訂正と更新の記録の窓口までお知らせください。