第二種電気工事士を取ろうと決めたものの、仕事をしながら何時間勉強すれば受かるのか、学科と技能でどう配分するのか、いつから始めれば間に合うのかが分からず、参考書を買ったまま止まっている。そんな人に向けた記事です。
この記事では、第二種電気工事士の勉強時間の目安を学科・技能それぞれについて経験や学歴別に示し、電気技術者試験センターの合格率で「どこまでやれば受かるか」を確かめます。CBT方式の仕組み、独学の進め方と3か月のスケジュール例、技能の練習キット、勉強時間を減らす方法まで整理しました。
電気工事士のキャリア全般の悩みは電気工事士のキャリア完全ガイドにまとめています。
第二種電気工事士の勉強時間の目安を経験・学歴別に見る
結論から言うと、第二種電気工事士の勉強時間は、電気の知識がない人で学科100〜150時間、技能40〜60時間、合計で150〜200時間前後が編集部の目安です。工業高校の電気科を出ている人や電気工事の現場で働いている人は、学科50時間前後まで縮まります。試験センターが勉強時間を公表しているわけではないので、以下は過去問の正答率で調整する前提の目安として使ってください。
経験・学歴別の目安
| 受験者のタイプ | 学科の目安 | 技能の目安 | 合計と期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 電気の知識がない社会人(文系・異業種) | 100〜150時間 | 40〜60時間 | 150〜200時間・3〜4か月 |
| 理系出身・DIYで配線の経験がある | 70〜100時間 | 40〜50時間 | 110〜150時間・2〜3か月 |
| 工業高校電気科卒・電気系の学部卒 | 40〜60時間 | 30〜40時間 | 70〜100時間・1か月半〜2か月 |
| 電気工事の現場で補助として働いている | 40〜60時間 | 20〜30時間 | 60〜90時間・1か月半 |
学科の時間差は、オームの法則や交流回路の計算に慣れているかと、配線器具や工具の名前を見たことがあるかで決まります。技能の時間差は、工具を握った経験の有無です。現場で働いている人はケーブルの被覆むきや輪作りが日常なので、候補問題の手順を覚える時間だけで済みます。
平日1時間・休日3時間なら3か月で届く
仕事をしながら学科150時間を確保する場合、平日1日1時間・土日各3時間で週11時間、14週(約3か月半)で150時間です。学科試験の後に技能試験まで約2か月あるため、技能の40〜60時間はその期間で週5〜7時間を充てれば足ります。学科は試験の3か月前、技能は学科試験の直後からという区切りで組むと、一度に両方を抱えずに済みます。
年2回の試験と学科免除で計画に余裕を持たせる
第二種電気工事士試験は上期と下期の年2回実施されているので、上期に間に合わなければ下期に回せます。学科試験に合格して技能試験で落ちた場合は、次回の学科試験が免除され、技能だけを受け直せます。この仕組みがあるため、勉強時間が足りないまま両方を詰め込むより、学科を確実に取ってから技能に集中する順番の方が結果的に短い時間で免状に届きます。
逆に、学科の申込を先延ばしにして受験機会を1回逃すと、半年分の遅れになります。勉強時間の確保より先に、どの回を受けるかを決めて申し込むことが計画の起点です。
合格率で見る「どこまでやれば受かるか」
第二種電気工事士は、受験者の6割が学科に、7割が技能に合格する試験です。電気技術者試験センターの公表値では、2024年度上期の学科試験は受験者70,139人・合格者42,194人・合格率60.2%、2025年度上期の技能試験は受験者51,576人・合格者37,158人・合格率72.0%でした。この数字は「準備した人の大半が受かる」水準で、勉強時間の目安を守れば合格圏に入ります。
学科は50問中30問で合格する試験
学科試験は50問の四肢択一で、合格基準は60点以上、つまり30問の正解です(電気技術者試験センター)。出題は、電気の基礎理論、配電理論と配線設計、電気機器・配線器具・材料と工具、施工方法、検査方法、法令、配線図に分かれ、計算問題は全体の1〜2割です。計算を捨てても、暗記分野で30問は取れる配点なので、計算が苦手な人は器具・工具・配線図の記号を先に固める方が勉強時間の効率が上がります。
学科試験の受験者と合格者の数字を見ると、4割が落ちています。落ちる人の多くは勉強時間が足りなかったというより、過去問を解かずにテキストを読むだけで終えているケースです。第二種の学科は過去問と似た問題が繰り返し出るので、過去問の正答率が7割を超えた段階で合格圏と判断できます。
技能は「時間内に欠陥なく」で決まる
技能試験は、事前に公表される候補問題13問のうち1問が出題され、40分で配線図どおりに施工します(電気技術者試験センター)。欠陥が1つでもあれば不合格になりますが、合格率72.0%(2025年度上期)が示すとおり、候補問題を練習した人の大半は通ります。落ちる人の典型は、時間切れと、心線の露出やリングスリーブの圧着マーク違いなど欠陥判断基準に触れる細かなミスです。
学科試験の勉強時間の使い方とCBT方式
学科の勉強時間は、テキストを1周して全体像をつかむ時間と、過去問を3周する時間に分けて考えると配分しやすくなります。150時間なら、テキスト1周に40時間、過去問と復習に100時間、直前の総仕上げに10時間が目安です。テキストに時間をかけすぎると過去問の周回が減り、得点が伸びません。
過去問は「解く」より「解説を読む」時間を多く取る
第二種の学科は、過去10年分の問題を見ると出題パターンが限られています。1周目は正解を見ながらでよいので解説を読み、なぜその答えになるかを理解する時間を取ります。2周目で自力で解き、間違えた問題に印を付け、3周目は印の付いた問題だけを解き直します。過去問は電気技術者試験センターの公式サイトで公開されているので、まずは直近の問題で自分の正答率を測るところから始めてください。
過去問の使い方と頻出分野は第二種電気工事士の過去問の使い方にまとめています。
分野別の時間配分の目安
学科150時間のうち過去問と復習に使う100時間は、分野ごとに濃淡をつけます。配線図の読み取りと図記号に30時間、電気機器・配線器具・材料と工具の名称と用途に30時間、施工方法・検査方法・法令に20時間、計算問題に20時間が編集部の目安です。配線図と器具・工具は出題数が多く、覚えれば確実に得点になる分野なので、最初に固めます。
計算問題は20時間で頻出パターンだけを押さえ、それ以上は伸ばしません。合格基準が30問である以上、計算を全問落としても暗記分野で35問前後取れれば合格できる設計だからです。計算が得意な人は逆に、計算を先に固めて暗記の負担を減らす配分でも構いません。
CBT方式は日程の自由度と結果の速さが違う
2023年度(令和5年度)から、第二種電気工事士の学科試験はパソコンで解答するCBT方式と、従来の筆記方式から選べるようになりました(電気技術者試験センター)。出題内容・問題数・試験時間・合格基準は同じで、違うのは受験の形です。
| 比較項目 | CBT方式 | 筆記方式 |
|---|---|---|
| 受験日 | 指定期間(上期は4月下旬〜6月上旬)から自分で選ぶ | 指定された1日に一斉実施 |
| 会場 | 全国のテストセンターから選ぶ | 指定の試験会場 |
| 解答方法 | パソコンの画面で選択 | マークシート |
| 結果 | 試験終了直後に画面で得点が分かる | 後日の合格発表を待つ |
| 向いている人 | 仕事の都合で日程を選びたい、技能の準備にすぐ移りたい | 紙で解く方が集中できる、パソコン操作が不安 |
CBT方式の利点は、勉強の仕上がりに合わせて受験日を後ろにずらせることと、終了直後に得点が分かるので技能試験の練習にすぐ入れることです。学科が終わってから技能の準備を始める人は、CBT方式で早めの日程を選ぶと技能に使える期間が長くなります。
技能試験の勉強時間と練習キット
技能の勉強時間40〜60時間の中身は、複線図の練習10時間、候補問題13問を2周する30〜40時間、欠陥の確認と苦手作業の反復10時間です。1問あたりの施工は慣れると30分前後なので、13問×2周で約13〜17時間が施工そのもので、残りは複線図と片付け、見直しに使います。
練習キットは電線2回分が目安
技能試験の練習には、工具一式と、候補問題13問分の電線・器具がセットになった練習キットを使うのが一般的です。器具(スイッチ・コンセント・端子台・ランプレセプタクルなど)は繰り返し使えるため、選ぶ基準は電線が何回分入っているかです。13問を2周する前提なら電線2回分、時間短縮の練習まで含めるなら3回分が目安です。1回分で済ませると、2周目の時間計測ができないまま本番になります。
工具は、電気技術者試験センターが指定する「指定工具」(ペンチ・ドライバー・ナイフ・スケール・ウォーターポンププライヤー・リングスリーブ用圧着工具)に加え、ワイヤストリッパーがあると被覆むきの時間を大きく減らせます。技能試験の候補問題ごとの進め方と欠陥基準は次の記事で詳しく解説しています。
READ ALSO — 電気工事士
第二種電気工事士の技能試験の対策|候補問題13問の進め方・欠陥基準・工具と練習量
欠陥判断基準は練習の初日から手元に置く
技能試験の合否は、電気技術者試験センターが公開している欠陥の判断基準に照らして決まります。心線の露出が長すぎる、ねじの締め付けが不十分、リングスリーブの圧着マークが電線の組み合わせと合っていない、差込形コネクタの心線が奥まで入っていない、といった項目が並んでいます。どれも「知っていれば防げる」ものばかりなので、1周目から完成品を基準と照らす習慣をつけると、2周目以降の練習が「時間を縮める」作業だけに絞れます。
練習の順番は「複線図→1周目→時間計測」
- 複線図を先に13問分書けるようにする。 施工の前に配線図から複線図に起こす練習を済ませておくと、1周目の施工が迷わず進みます。
- 1周目は時間を気にせず手順を覚える。 動画やテキストを見ながらでよいので、13問すべてを一度完成させます。
- 2周目から40分を計る。 1問ごとに完成品を欠陥判断基準に照らして確認し、時間超過や欠陥が出た問題に印を付けます。
- 3周目は印の付いた問題と苦手作業だけ。 輪作り、リングスリーブの圧着、端子台への結線など、作業単位で反復します。
技能の勉強時間を無駄にしないための確認3点
- 候補問題13問は毎年1月頃に電気技術者試験センターの公式サイトで公表される。前年の候補問題と同じとは限らないので公表後に確認する
- 練習キットの電線は2回分以上。器具は繰り返し使えるので、電線だけ追加で買える商品を選ぶ
- 欠陥判断基準は公式サイトで公開されている。自分の完成品を基準と照らす作業を毎回行う
勉強時間を減らす方法と独学スケジュール例
勉強時間を減らす最も効果が大きい方法は、テキストを読む時間を削って過去問と候補問題に直行することです。第二種の学科は過去問の反復で得点が積み上がり、技能は候補問題が公表されているため、「何が出るか分からない試験」のような網羅的な学習が要りません。
3か月の独学スケジュール例
3か月で学科と技能を通す場合の配分です。学科試験を4月下旬〜6月上旬のCBT方式で受け、7月中旬の技能試験を目指す想定です。
1〜4週目はテキストを1周しながら、過去問1年分を解いて現在の正答率を測ります。5〜10週目は過去問3周と苦手分野の補強で、正答率7割を超えたら学科は合格圏です。11〜12週目は間違えた問題の解き直しと法令・配線図記号の暗記で仕上げ、CBT方式で受験します。学科試験の直後から技能に移り、約8週間で複線図と候補問題13問を2周します。
1か月半で受ける場合の圧縮版
現場経験者や電気科卒の人が1か月半で受ける場合は、テキストを飛ばして過去問3年分から入り、正答率が7割に届いた分野は打ち切ります。学科に3週間、技能に3週間の配分で、技能は複線図を2日で済ませて候補問題13問を1周半(苦手な問題だけ2周目)という組み方です。この圧縮版は、電線の被覆むきや輪作りが既にできる人向けで、工具を初めて握る人には向きません。
勉強時間を減らす3つの方法
- テキストは通読しない。 目次を見て出題分野を把握したら、過去問を解きながら該当箇所を読む形に切り替えます。通読1周にかかる40時間の半分が浮きます。
- 計算は頻出パターンだけに絞る。 合成抵抗、電力と電力量、電圧降下、三相の線電流など、毎年出る型を5〜6種類押さえれば、計算問題の半分は取れます。
- 技能は「作業単位」で反復する。 13問を通しで繰り返すより、輪作り・圧着・端子台・差込形コネクタといった作業単位で苦手を潰す方が、時間あたりの上達が速いです。
勉強計画を生成AIに組ませるプロンプト
使える時間と現在の到達度を渡すと、週ごとの学習計画を生成AIに組ませることができます。過去問の正答率を入れ直せば計画を更新できるので、計画の作り直しに時間を取られません。
あなたは第二種電気工事士試験の学習計画を作るコーチです。以下の条件で、学科試験までの週ごとの学習計画と、学科試験後から技能試験までの計画を表で作ってください。
条件:
- 電気の知識はほぼなし。文系出身の社会人。計算問題が苦手
- 学科試験(CBT方式)まで12週。平日は1日1時間、土日は各3時間使える
- 技能試験は学科試験の8週間後。技能の練習は土日に各2時間
- 教材は市販テキスト1冊、電気技術者試験センターの過去問10年分、電線2回分の練習キット
- 学科の合格基準は50問中30問正解
出力:
1. 各週の学習テーマと到達目標(過去問の正答率で書く)
2. 計算問題に割く時間の上限と、その根拠
3. 技能の候補問題13問を2周するための週ごとの割り当て
4. 進みが遅れたときに削ってよい項目と削ってはいけない項目
まとめ
- 第二種電気工事士の勉強時間は、電気の知識がない人で学科100〜150時間・技能40〜60時間、工業高校電気科卒や現場経験者は学科50時間前後が目安です(編集部の目安)
- 合格率は学科60.2%(2024年度上期)・技能72.0%(2025年度上期)で、準備した人の大半が受かる水準です(電気技術者試験センター)
- 学科は50問中30問で合格。過去問の正答率7割を目安に、テキストの通読より過去問3周に時間を回します。CBT方式なら受験日を選べて結果が直後に分かります
- 技能は候補問題13問を電線2回分のキットで2周し、2周目から40分を計ります。欠陥判断基準との照合を毎回行うと、時間切れと細かなミスの両方を防げます
シゴトのホント編集部
勉強時間の「目安」は、足りているかを判断する材料であって、消化するノルマではありません。過去問の正答率と、候補問題を40分で仕上げられるかの2つで到達度を測れば、150時間の人も80時間の人も、同じ基準で「受けてよい」と判断できます。
参照ソース
- 令和6年度第二種電気工事士上期学科試験の結果について(電気技術者試験センター) — 2024年度上期学科試験の受験者70,139人・合格者42,194人・合格率60.2%の根拠
- 令和7年度第二種電気工事士上期技能試験の結果について(電気技術者試験センター) — 2025年度上期技能試験の受験者51,576人・合格者37,158人・合格率72.0%の根拠
- 第二種電気工事士の学科試験のポイント(電気技術者試験センター) — 学科試験の問題数・合格基準、2023年度からのCBT方式導入の根拠
- 第二種電気工事士の技能試験の候補問題(電気技術者試験センター) — 候補問題13問の公表と試験時間40分の根拠


