DENKEN電気主任技術者のキャリア

電験三種の理論の勉強法。最初に固める分野と計算が解けないときの直し方

電験三種の理論の勉強法。最初に固める分野と計算が解けないときの直し方

電験三種の理論は、電気回路や電磁気の計算で手が止まり、何から手をつければよいか迷いやすい科目です。学ぶ順番、必要な数学、他科目との時間配分、計算が解けないときの直し方を整理します。

電験三種全体の勉強の進め方は電験三種の記事一覧でまとめています。

電験三種の理論とは?出題の構成と他科目との関係

この記事の結論

  • 理論は電気回路の基礎を固めてから電磁気・電子回路・電気計測に進む順番が学びやすいと考えられます。
  • 計算に使う数学は中学・高校レベルの四則演算や三角関数、ベクトル、複素数の基礎が中心です。
  • 理論の学習時間は、他の科目との並行受験を考えるなら法規や電力との配分を意識して決める必要があります。
  • 同じ問題で止まる場合は、公式の理解不足か、計算の手順そのものの間違いかを分けて確認すると直しやすくなります。
  • 理論に科目合格すると一定期間再受験が免除されるため、先に仕上げる戦略も選択肢になります。

電験三種の理論は、電気回路、電磁気、電子回路、電気計測という4つの分野から出題される科目です。電気技術者試験センターが公表している出題範囲を見ると、これらの分野は独立しているわけではなく、電気回路の計算力を前提に電磁気や電子回路の問題が組み立てられていることが分かります。そのため理論でつまずく原因の多くは、個別分野の知識不足だけでなく、電気回路の基礎計算が十分に身についていないことにあるとも考えられます。

理論は電力・機械といった他科目とも関係が深い科目です。電力や機械の計算問題でも、電気回路の考え方や交流の扱いを前提にした出題が多く、理論を先に固めておくと他科目の理解が進みやすいという見方があります。電験三種には科目合格制度があり、4科目をすべて一度に揃えなくても合格を積み重ねていける仕組みになっているため、理論をどの段階で仕上げるかは学習計画全体にも影響します。この制度と理論の組み合わせ方については、記事の後半で改めて取り上げます。

理論は電力や機械と比べて、発電所や設備といった具体的な対象がイメージしにくく、計算そのものが目的化してしまいやすい科目だという特徴もあります。式の意味や単位を意識せずに計算だけを追いかけると、似たような問題でも条件が変わった途端に手が止まりやすくなります。出題の配点や試験時間の詳細は年度ごとに案内が更新されることがあるため、最新の情報は電気技術者試験センターの公式サイトで確認することをおすすめします。

理論の試験では、電気回路の計算でミスをすると、その後に続く電磁気や電子回路の設問の前提条件を読み誤ってしまうこともあります。試験本番では一つの大問の中で複数の小問が連動している場合があるため、最初の計算で間違えると後続の小問まで連続して失点してしまう可能性があります。だからこそ、普段の学習でも電気回路の基礎計算を確実に身につけておくことが、理論全体の得点を安定させる土台になると考えられます。

電験三種の理論の勉強法は?最初に固める分野と学ぶ順番

理論の勉強法を考えるときは、どの分野から手をつけるかという順番が大きな意味を持ちます。電気回路の計算は電磁気や電子回路の問題を解くための土台になっているため、最初に電気回路の基礎を固めてから、電磁気、電子回路、電気計測の順に進める考え方が学びやすいとされています。電気回路でオームの法則や交流回路の計算に慣れておくと、電磁気で登場する電界・磁界の式や、電子回路の増幅の考え方もイメージしやすくなります。

分野ごとの位置づけを整理すると、次のようになります。

分野 内容の目安 学ぶ順番の考え方
電気回路 直流・交流回路の計算、オームの法則、交流のベクトル表示 最初に固める。他分野の計算の土台になる
電磁気 電界・磁界の基本法則、電磁誘導の考え方 電気回路の計算に慣れたあとに進める
電子回路 半導体素子の基礎、増幅回路の考え方 電気回路・電磁気の知識を使うため後半に回す
電気計測 測定器の原理、誤差の考え方 出題範囲が比較的狭いため、直前期にまとめて仕上げる

電気計測は出題範囲が比較的狭い一方で、測定器の原理や誤差の考え方は電気回路の基礎計算と結びついているため、電気回路を学んだあとであれば短期間でも一通り確認しやすい分野です。直前期にまとめて仕上げるという位置づけは、範囲の狭さだけでなく、他分野の知識を前提にしている点にも理由があります。

理論の学ぶ順番

理論は電気回路から4分野を順に固める

  1. 1

    電気回路

    直流・交流の計算。他分野の土台

  2. 2

    電磁気

    回路の計算に慣れたあとに進める

  3. 3

    電子回路

    回路・電磁気の知識を使うので後半

  4. 4

    電気計測

    範囲が狭いので直前期にまとめる

得意・不得意や経験によって順番は前後させてよい(編集部の整理)

この順番はあくまで学びやすさを基準にした考え方であり、得意・不得意によって前後させてもかまいません。すでに電気系の学科や実務の経験があり、電気回路の計算に慣れている場合は、電磁気や電子回路から先に手をつけても無理はないと考えられます。分野ごとの学習が一通り終わったら、過去問を分野別に並べ替えて解く段階に移ると、電気回路の考え方がほかの分野でどのように形を変えて出題されているかが見えやすくなり、学んだ順番の効果を実感しやすくなります。

例えば電気回路の単元で交流のベクトル計算に一通り慣れたあとに電磁気の電磁誘導の問題へ進むと、起電力の式に現れる位相のずれを、電気回路で学んだベクトル図の考え方と重ねて理解しやすくなります。分野を完全に区切って学ぶのではなく、前の分野で学んだ図の描き方や単位の扱いを次の分野でも使い続けるという意識を持つと、学ぶ順番そのものが記憶の土台として働きやすくなります。

学ぶ順番を決めたあとは、各分野に進む前に簡単な確認テストを自分で作ってみるという方法も考えられます。たとえば電気回路を学び終えた時点で、オームの法則と交流のベクトル計算を使う基本問題を数問解いてみて、スムーズに解けるかどうかを確認します。ここで時間がかかりすぎる場合は、次の分野に進む前に電気回路の復習に戻るという判断がしやすくなります。

数学が苦手でも電験三種の理論は解けるか?必要な計算の範囲

理論は電験三種の4科目の中でも計算量が多い科目として扱われることが多く、数学への不安から避けたくなる人も少なくありません。ただし理論で使う数学は、大学レベルの高度な内容ではなく、四則演算、分数や比の計算、三角関数の基本的な扱い、ベクトルや複素数の初歩的な計算が中心です。交流回路の計算で複素数やベクトルが登場しますが、これも公式の形を覚えるだけでなく、電圧と電流の位相関係を図でイメージしながら計算する練習を重ねることで扱えるようになっていきます。

数学が苦手だと感じる場合は、公式の意味を図や単位で確認する習慣をつけることが有効だと考えられます。たとえば交流回路の計算であれば、ベクトル図を描いて電圧と電流の関係を確認したうえで式を立てる、という手順を踏むと、公式の意味を理解しながら計算を進めやすくなります。計算ミスが続く場合も、公式自体を間違えているのか、単位の変換や符号の処理で間違えているのかを分けて確認すると、原因を特定しやすくなります。

複素数の計算に不安がある場合は、まず直交形式(実部と虚部で表す形)と極形式(大きさと位相角で表す形)を相互に変換する練習を先に済ませておくと、交流回路の計算で式を立てる段階がスムーズになります。三角関数についても、サインとコサインの基本的な値を覚えるだけでなく、位相が90度や180度ずれたときに波形がどのように変化するかを図でイメージできるようにしておくと、電磁気や電子回路の波形を扱う問題にも応用しやすくなります。

具体的な練習方法としては、同じ単元の基本問題を3〜5問程度、数値を変えながら繰り返し解き、公式の形よりも途中式の流れを覚えることを優先する進め方が考えられます。慣れてきたら、過去問の中から同じ単元の問題を数年分集めて解き、出題のされ方のパターンを確認すると、初見の問題にも対応しやすくなります。数学の基礎に不安が大きい場合は、理論の過去問に入る前に、中学・高校の数学の教科書やドリルで基本計算を復習する時間を少し取ることも、回り道にはならないと考えられます。

演習の際には、解答だけを確認するのではなく、自分が書いた途中式と模範解答の途中式を1行ずつ比較する習慣をつけると、どの段階で考え方がずれているかを具体的に把握しやすくなります。特に単位の変換や指数の扱いは見落としやすい部分なので、途中式を省略せずに書き出すこと自体が、数学の不安を減らす練習にもなります。

電験三種の理論の勉強法に使う時間配分は?他科目との優先順位

理論にどれくらいの時間をかけるかは、他の科目との並行受験を考えるかどうかで変わってきます。電験三種の全体の勉強時間の目安は別記事でまとめていますので、ここでは理論と他科目の時間配分の考え方を整理します。

理論は電力・機械の基礎になる科目であるため、学習の初期段階では理論に比較的厚めに時間を割り、電気回路や電磁気の計算に慣れることを優先する進め方が合理的だと考えられます。電気回路の計算に一定の自信がついてきたら、理論の学習時間を少しずつ減らし、電力や機械の学習に時間を移していくという配分の仕方が考えられます。法規は計算よりも条文の理解が中心になる科目のため、理論とは学習の仕方自体が異なります。理論と法規を並行して進める場合は、同じ日に両方に取り組むのではなく、曜日や時間帯で学習内容を分けると、頭の切り替えがしやすくなります。

学習が進むにつれて、得意な分野と苦手な分野がはっきりしてくるため、時間配分も固定せずに数週間おきに見直すことが望ましいと考えられます。理論の計算に慣れてきたと感じたら、その時間を電力や機械の演習に回し、逆に理論の計算でミスが増えてきたと感じたら、再び理論の時間を増やすといった柔軟な調整が必要になります。科目合格制度を使って複数回に分けて合格を積み重ねる場合は、どの科目を先に仕上げるかによって、理論にかける時間の優先順位も変わってきます。全体の勉強時間をどのように配分するかについては、電験三種の勉強時間の目安を解説した記事で詳しく取り上げています。

時間配分を考える際は、週単位で学習時間を記録しておくと、どの科目にどれだけ時間を使っているかを振り返りやすくなります。1週間のうち理論に充てる時間と、法規や電力に充てる時間をあらかじめ大まかに決めておき、月単位で実際の学習記録と比較しながら配分を微調整していくと、感覚だけに頼らずに計画を立て直しやすくなります。

また、模擬的に過去問を時間を計って解いてみると、理論にどれくらいの時間がかかっているかを体感できます。本番の試験時間に対して余裕があるのか、ぎりぎりになってしまうのかを早い段階で把握しておくと、残りの学習期間で時間配分をどう調整すべきかの判断材料になります。科目合格制度を使って理論を先に仕上げる場合は、理論に充てる時間を学習の初期に集中させ、合格を確認できた段階で法規や電力、機械に時間を再配分するという進め方も考えられます。どの科目から合格を積み重ねるかという戦略の立て方は、残りの学習期間や得意分野によっても変わってきます。

理論の問題が解けないときの原因別の直し方

理論の問題を解いていると、同じようなところで繰り返し手が止まってしまうことがあります。原因を一つにまとめず、いくつかのパターンに分けて確認すると、直し方も見えやすくなります。

理論の問題で手が止まりやすい3つの原因

  • 公式は覚えているが、その公式が何を表しているのかをイメージできていない
  • 単位の変換や符号の扱いでミスをしている
  • 問題文の条件を回路図やベクトル図に描き直せていない

公式を覚えているのに解けない場合は、公式の意味を図や単位で確認せずに、形だけで覚えてしまっていることが多いと考えられます。この場合は、公式を導く過程を一度確認したり、具体的な数値を当てはめて計算の流れを追ったりすることで、式の意味を理解し直すことが有効です。単位や符号のミスが多い場合は、計算の過程を省略せずに、途中式を一つずつ書き出す練習をすることで、どの段階で間違えているかが見えやすくなります。

問題文の条件を図に描き直せていない場合は、問題を読んだらまず回路図やベクトル図を自分の手で書くという手順を、最初から習慣にしておくことが直し方になります。原因を特定したあとは、同じ原因で繰り返しつまずいていないかを意識しながら解き直すことが直し方の中心になります。間違えた問題をノートにまとめておき、何が原因で間違えたのかを一言でも書き残しておくと、次に似た問題に出会ったときに同じ原因で間違えていないかを確認しやすくなります。

原因を特定したあとの直し方として、同じ単元の問題を数日空けて再度解き直し、同じ原因で間違えていないかを確認する方法も有効です。一度解き直しただけでは理解したつもりで終わってしまうことがあるため、時間を置いてから再確認することで、本当に原因が解消されたかどうかを判断しやすくなります。ノートにまとめる際は、間違えた問題そのものを書き写すだけでなく、自分がどのように考えて間違った答えにたどり着いたのかという思考の流れも簡単に書いておくと、後で見返したときに同じ考え方の癖に気づきやすくなります。

まとめ|電験三種の理論の勉強法を固めて次の科目につなげる

電験三種の理論の勉強法は、電気回路の基礎を最初に固め、電磁気、電子回路、電気計測の順に進めるという学ぶ順番の考え方と、公式を丸暗記せずに意味を理解しながら計算する練習の積み重ねが中心になります。数学に不安がある場合も、必要な範囲は四則演算や三角関数、ベクトル、複素数の基礎が中心であり、図を描きながら公式の意味を確認する習慣をつければ、少しずつ計算に慣れていくことができると考えられます。

理論は電力・機械の基礎になる科目でもあるため、他科目との時間配分や、科目合格制度を使ってどの順番で合格を積み重ねるかという学習計画全体の中で位置づけて考えることが大切です。科目合格制度の有効期間や年2回化後の戦略については、電験三種の科目合格制度を解説した記事で詳しく整理していますので、理論の学習と合わせて確認してみてください。

理論の学習は一度で完成させるものではなく、電力や機械を学び進める中で改めて理論の考え方に戻ってくる場面も出てきます。学習の初期段階で電気回路の基礎を固めておくことは、理論の得点だけでなく、その後に続く科目の学習効率にも影響する土台づくりだと考えられます。

ミライ(国家資格キャリアコンサルタント)

理論は計算量の多さから最初に苦手意識を持ちやすい科目ですが、出題される分野そのものは限られています。同じ問題で止まったときに原因を分けて確認する習慣をつけておくと、電力や機械の学習にもつながる土台になると感じています。

参照ソース

FAQよくある質問

電験三種の理論は何から勉強すればよいですか?

まずは電気回路の基礎(オームの法則や交流回路の計算)を固め、そのうえで電磁気、電子回路、電気計測の順に進める考え方が学びやすいとされています。電気回路でつまずくと、ほかの分野の計算も読みにくくなるため、最初の土台づくりを優先する進め方が合理的と考えられます。

理論の勉強にどこまで数学の力が必要ですか?

四則演算や分数の計算、三角関数、ベクトルや複素数の基礎的な扱いが分野ごとに登場しますが、大学レベルの高度な数学ではありません。公式を丸暗記するより、公式が何を表しているかを図でイメージしながら計算する練習のほうが理論には効果的と考えられます。

理論を先に合格しておくのは有利ですか?

電験三種には科目合格制度があり、理論に合格すれば一定期間は再受験が免除される仕組みがあります。有効期間や年2回化後の戦略の詳細は別記事で解説していますので、学習計画を立てる際はそちらも確認してください。

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