警備員の仕事に興味があっても、「警備員 年収はどのくらいなのか」「号数や雇用形態によってどう変わるのか」が分かりにくいと感じる方もいるのではないでしょうか。本記事では、号数・雇用形態・資格・地域による年収の違いを、公的統計の傾向を踏まえて整理して解説します。
警備員の仕事全体については警備員の仕事完全ガイドで詳しく解説しています。
警備員 年収の全体像は?統計から見る目安
警備員の年収を知りたいと考えたとき、多くの方がまず気になるのは「平均でいくらくらいなのか」という点だと思います。厚生労働省が実施する賃金構造基本統計調査など公的統計では、職種別の給与水準に関するデータが公表されており、警備員についても一定の傾向を把握することができます。ただし、これらの統計はあくまで調査時点・調査対象に基づく平均的な傾向を示すものであり、個々の警備員の年収を保証するものではありません。年収は年齢、勤続年数、勤務地、雇用形態、担当する業務区分など複数の要素によって変動するため、単一の金額として断定的に語ることは難しいと考えられます。
賃金構造基本統計調査では、年齢階級別や勤続年数別に「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」が分けて集計されており、毎月の給与と賞与を合算して年収の目安を推計する形が一般的です。こうした調査の見方に慣れておくと、求人票の月給表示だけでなく、賞与や手当を含めた年間ベースでの比較がしやすくなります。統計上の平均値は、勤続年数の長いベテラン層から入社間もない層まで幅広い層を含んだ数値であるため、自分の経験年数や年齢に近い層のデータがあれば、そちらも参考にすると実態に近いイメージを持ちやすくなります。
警備業界全体で見ると、正社員として長く勤務し、役職や資格を得ていく人と、アルバイト・パートとして短時間勤務を選ぶ人とでは、年収の水準に大きな幅が生じることが一般的です。求人情報を見る際には、月給や日給といった表記の単位が年収換算でどの程度になるのか、賞与や各種手当が含まれているのかどうかを確認することが欠かせません。同じ「警備員 年収」というキーワードで検索しても、参照する求人や統計によって前提条件が異なるため、単純な金額の比較だけで判断しないよう注意が必要です。
また、求人票に記載されている金額は額面(総支給額)であることが一般的で、そこから社会保険料や税金が差し引かれた手取り額とは異なります。特に賞与の有無や支給月数は会社によって差が大きいため、月給を単純に12倍しただけの金額が年収と一致するとは限りません。求人票に記載された条件を確認する際には、賞与や各種手当を含めた年間の総支給見込みがどの程度になるのかを、面接などの機会に確認しておくことをおすすめします。
近年は、厚生労働省の職業情報を紹介するオンラインの情報源も充実してきています。警備員という職種で調べると、業務内容の概要とあわせて、統計に基づく年収の目安が紹介されている場合があります。こうした情報源を参照する際も、あくまで平均的な傾向を示すものである点を踏まえ、自分が応募を検討している警備会社の求人票の内容と照らし合わせながら判断することが大切です。複数の求人サイトを横断的に見比べることで、地域や会社ごとの給与水準のばらつきを把握しやすくなるという利点もあります。
警備会社によって、給与体系や手当の設定は大きく異なります。深夜勤務手当や資格手当、皆勤手当などを充実させている会社もあれば、基本給を高めに設定して手当を最小限にとどめている会社もあり、額面の年収だけを比較しても実態をつかみにくい場合があります。応募を検討する際には、基本給・手当・賞与の内訳を求人票や面接で確認し、年間を通じた総支給額としてどの程度になるのかをイメージすることが重要だと考えられます。
号数(1号施設警備・2号交通誘導など)による警備員 年収の違い
警備業法では警備業務を大きく1号から4号までの4区分に分類しており、この区分によって業務内容だけでなく、年収の傾向にも一定の違いが生じ得ると考えられます。1号警備はオフィスビルや商業施設、工場などの巡回・出入管理・防犯監視を担う施設警備業務で、屋内勤務が中心となり、夜勤を含むシフト制で勤務する求人が多く見られます。2号警備は工事現場や駐車場での車両誘導、イベント会場での来場者整理などを担う交通誘導警備業務・雑踏警備業務で、屋外での立ち仕事が中心となり、天候や現場の状況によって勤務時間が変動しやすい傾向があります。
同じ1号警備の中でも、決まった施設に常駐して勤務する常駐警備と、複数の施設を巡回して点検する巡回警備とでは、勤務時間の組み方や必要とされる経験が異なる場合があります。2号警備についても、日常的な工事現場での交通誘導と、大規模イベント時の雑踏警備とでは、繁忙期の稼働日数や求人の出方に違いが見られることがあります。こうした業務の細分化を理解しておくと、求人票を比較する際に、給与体系の違いが何に起因しているのかをより具体的にイメージしやすくなります。
3号警備は現金や貴金属を警備輸送車で運ぶ貴重品運搬警備業務、4号警備は要人などの安全を確保する身辺警備業務にあたり、いずれも専門性が高く、求人数自体が1号・2号に比べて限られる傾向があります。専門性の高さや業務に伴う責任の重さから、3号・4号警備を担当する警備員については、経験や実績に応じて処遇面で評価されるケースがあると考えられますが、求人数が少ないため、未経験からいきなり配属される例は多くないとされています。
1号警備と2号警備を比較すると、業務内容の違いから、求人票に記載される給与体系にも特徴の違いが見られます。1号警備では夜勤手当を含めた月給制の求人が多く、勤務時間帯によって収入が変動しやすい一方、2号警備では日給制の求人が中心となり、稼働日数によって月々の収入が左右されやすい傾向があります。どちらの号を選ぶかによって、警備員 年収の構成要素そのものが変わってくるため、求人を比較する際には給与体系の違いを踏まえて検討することが大切です。
| 区分 | 主な業務内容 | 勤務の特徴 | 給与体系の傾向 |
|---|---|---|---|
| 1号警備(施設警備) | 巡回・出入管理・防犯監視 | 屋内中心、夜勤を含むシフト制 | 月給制が多い |
| 2号警備(交通誘導・雑踏警備) | 車両誘導、イベント来場者整理 | 屋外中心、天候・現場で変動 | 日給制が多い |
| 3号警備(貴重品運搬) | 現金・貴金属の運搬警備 | 専門性が高く求人数は限定的 | 経験・実績を踏まえた評価 |
| 4号警備(身辺警備) | 要人等の身辺の安全確保 | 専門性が高く求人数は限定的 | 経験・実績を踏まえた評価 |
このように、号数によって業務内容や勤務スタイルが異なるため、警備員 年収を考える際には、自分がどの号を担当しているか、あるいは希望しているかを踏まえて求人を比較することが欠かせません。同じ「警備員」という職種名であっても、担当する号によって求められる技能や勤務条件が異なる点は、転職先を検討するうえで意識しておきたいポイントだと言えます。
雇用形態(正社員・アルバイト・派遣)による年収差
警備員の求人は、正社員だけでなくアルバイト・パート、契約社員、派遣社員など多様な雇用形態で募集されていることが特徴です。雇用形態によって、月々の収入だけでなく、賞与の有無、昇給の仕組み、社会保険の適用範囲などが異なり、これらの違いが結果として年収全体に影響を及ぼします。未経験からでも始めやすい仕事であるため、まずアルバイトとして警備の仕事を経験し、その後正社員登用を目指すという働き方を選ぶ人も見られます。
正社員として勤務する場合、多くの警備会社では月給制が採用されており、賞与や各種手当、昇給の機会が用意されていることが一般的です。勤続年数を重ねることで役職に就いたり、警備員検定などの資格を取得したりすることで、給与テーブルの中で段階的に処遇が上がっていく仕組みを設けている会社もあります。一方でアルバイト・パートの場合は、時給制または日給制が中心となり、勤務日数や勤務時間によって収入が直接左右されるため、生活スタイルに合わせて柔軟に働ける反面、収入の安定性という点では正社員と異なる特徴があります。
契約社員として勤務する場合は、契約期間が定められている点で正社員と異なりますが、賞与や昇給の有無については会社によって取り扱いがさまざまです。正社員登用を前提とした契約社員制度を設けている警備会社もあれば、契約更新を重ねながら長期的に勤務するケースもあり、待遇の詳細は契約内容や就業規則によって変わってきます。応募の際には、契約更新の条件や、正社員との待遇差がどの程度あるのかを事前に確認しておくと、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
派遣社員として警備の仕事に従事する場合は、派遣会社との雇用契約に基づいて給与が支払われる形になり、時給水準や契約条件は派遣先の現場や契約内容によって異なります。契約社員についても、正社員との待遇差の有無は会社によってさまざまであるため、賞与や昇給、社会保険の適用条件などを事前に確認しておくことが重要です。雇用形態を選ぶ際には、目先の時給や日給の高さだけでなく、賞与や社会保険、将来的な正社員登用の可能性まで含めて、年間を通じた収入や働き方全体を比較する視点が欠かせません。
アルバイト・パートとして働く場合も、一定の労働時間・日数の条件を満たすことで社会保険への加入対象となる場合があります。社会保険に加入することで、将来受け取る年金額や、傷病時の保障内容にも違いが生じるため、目先の時給だけでなく、社会保険の適用条件も含めて雇用形態を選ぶ視点が大切です。また、有給休暇の取得しやすさや、繁忙期・閑散期による稼働日数の変動も、実質的な年間収入に影響する要素です。求人票だけでは分かりにくい部分もあるため、面接の際に実際の勤務実態について質問してみることも一つの方法です。
雇用形態を比較するときに確認したい4点
- 月給制か時給・日給制か、賞与の有無
- 昇給の仕組みや評価制度があるか
- 社会保険(健康保険・厚生年金など)の適用条件
- 正社員登用の実績や制度があるか
資格取得は警備員 年収にどう影響するか
警備員として働くうえで、資格取得が年収にどのような影響を与えるのかは、多くの方が関心を持つポイントではないでしょうか。警備員は資格がなくても働き始めることができる仕事ですが、警備業法に基づく警備員検定に合格することで、資格手当という形で処遇に反映している警備会社が存在します。手当の有無や金額は会社によって異なるため、一律にいくら上がるといった断定はできませんが、資格取得が収入面でのプラス要素になり得ることは押さえておきたい点です。
警備員検定は、施設警備業務・交通誘導警備業務・雑踏警備業務など業務区分ごとに6種類の区分があり、それぞれ1級・2級の等級に分かれています。検定に合格すると、道路使用許可の条件などで検定合格者の配置が求められる現場を担当できるようになる場合があり、任される業務の幅が広がることで、結果的に収入アップの機会につながる可能性があります。まずは2級の取得を目指し、実務経験を積んだうえで1級にステップアップするという流れを想定している警備会社も見られます。資格の詳しい種類や取得方法については、警備員の資格は?資格なしで働ける仕組みと検定制度を解説でも整理していますので、あわせて参考にしてください。
警備員検定以外にも、上級救命講習の受講歴や、危険物取扱者、フォークリフト運転技能講習といった関連資格を組み合わせることで、対応できる現場の幅を広げている警備員もいます。さらに経験を積んだ警備員のなかには、警備員に対する教育を計画・実施する指導教育責任者の資格取得を目指す人もおり、こうした上位資格は現場運営に関わる立場へのキャリアアップと、それに伴う処遇の向上につながる可能性があります。指導教育責任者は、新たに採用された警備員への教育を担う立場であり、現場作業だけでなく組織運営に関わる役割として位置づけられることが一般的です。ただし、資格取得がどのように処遇へ反映されるかは会社ごとの制度によって異なるため、求人情報や面接の場で確認しておくことをおすすめします。資格取得のための研修費用や受検料を会社側が一部負担する制度を設けている場合もあり、こうした支援制度の有無も、長期的なキャリア形成を考えるうえで確認しておきたいポイントの一つです。
地域による警備員の年収の違いと考え方
警備員の年収は、勤務する地域によっても差が生じる傾向があると考えられます。地域ごとの最低賃金の水準や、警備の仕事に対する需要の大きさ、生活費の水準などが複合的に影響するため、同じ業務内容であっても、地域によって求人票に記載される給与額には違いが見られます。一般的には、都市部の方が求人数・案件数が多く、給与水準もやや高めに設定される傾向があるとされていますが、都市部は生活費も相対的に高くなりやすいため、額面の年収だけで単純に有利・不利を判断することは難しいと言えます。
2号警備(交通誘導警備・雑踏警備)については、地域の建設工事の件数やイベントの開催状況によって求人数が変動しやすいという特徴があります。大規模な再開発が進む地域や、イベントの開催が多い地域では、2号警備の求人が増える傾向がある一方、そうした案件が少ない地域では、1号警備を中心とした求人が主流になる場合もあります。地方部では、インフラ点検や公共施設の警備業務が地域の主要な求人となっているケースもあり、都市部とは異なる需要構造が見られることもあります。自分が住んでいる、あるいは働きたいと考えている地域で、どちらの号の求人が多いのかを事前に調べておくことも、警備員 年収を考えるうえで参考になる視点です。
地域による年収の違いを調べる際には、厚生労働省が運営するハローワークの求人情報や、政府統計の総合窓口(e-Stat)で公開されている地域別の賃金統計などを参照する方法があります。こうした公的な情報源を確認することで、感覚的な印象だけでなく、統計的な裏付けを持って地域ごとの傾向を把握することができます。求人サイトの多くは勤務地域や雇用形態で絞り込み検索ができるため、気になる地域の求人を複数比較しながら、給与体系の傾向をつかんでいく方法も実践的です。ただし統計はあくまで平均的な傾向を示すものであり、個別の求人条件は会社ごとに異なるため、最終的には気になる求人票の内容を具体的に確認することが欠かせません。
地域を選ぶ際には、給与水準だけでなく、通勤時間や勤務時間帯の融通が利きやすいかどうかといった働きやすさの面も、実質的な収入や生活の満足度に影響します。給与額面の比較だけでなく、通勤コストや勤務のしやすさも含めて、総合的に検討する視点を持つことをおすすめします。
まとめ|警備員の年収は号数・雇用形態・資格・地域で変わる
ここまで見てきたように、警備員の年収は号数(1号〜4号)、雇用形態、資格の有無、勤務地域といった複数の要素が組み合わさって決まる傾向があります。公的統計は職種全体の平均的な傾向を示すものであり、個々の年収を断定するものではないため、「警備員 年収」というキーワードで検索して出てくる金額だけを鵜呑みにせず、自分が検討している求人の給与体系を具体的に確認することが大切です。
年収を上げていきたいと考える場合は、まず自分が担当する、あるいは希望する号数の業務内容を理解し、雇用形態ごとの賞与・昇給・社会保険の違いを比較したうえで、警備員検定など関連資格の取得を段階的に目指していくという流れが、現実的な道筋の一つになると考えられます。地域による求人動向の違いも踏まえながら、無理のないペースでキャリアを積み重ねていくことが、警備業界で長く働き続けるための土台になるのではないでしょうか。
シゴトのホント編集部
警備員の年収は号数や雇用形態、資格の有無、勤務地域によって幅があり、一律の金額で語ることは難しいものです。求人票の給与体系を具体的に確認しながら、自分に合った働き方と、資格取得によるキャリアアップの道筋を検討してみてください。
参照ソース
- 厚生労働省 — 賃金構造基本統計調査など、職種別の給与に関する統計を所管する省庁
- 政府統計の総合窓口 e-Stat — 地域別・職種別の賃金統計データを公開する政府の統計ポータル
- 全国警備業協会 — 警備員検定・新任教育など警備業界の制度や統計を紹介する業界団体