「4tトラックの年収はどれくらいが普通なのか」「大型に乗り換えれば本当に上がるのか」「そもそも今の免許で4tに乗れるのか」。求人票の月収例は会社によってばらつきが大きく、自分の年収が相場と比べて高いのか低いのか判断がつきません。
この記事では、4tトラック(中型)ドライバーの年収を厚生労働省の賃金構造基本統計調査(営業用貨物自動車運転者)で確認し、大型・2tとの比較、年収が決まる要素、年収を上げるルート(大型免許・けん引など)、必要な免許(中型・準中型の区分)まで整理します。
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4tトラックの年収は約440万円前後(賃金構造基本統計調査で確認)
結論から言うと、4tトラックドライバーの年収の相場は約440万円前後です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)で、営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)の年収がこの水準にあり、4tトラックはこの区分の中心を占めます(2024年・厚労省)。
賃金構造基本統計調査は、厚生労働省が毎年6月の賃金を全国の事業所から集めて集計する統計で、職種別の「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与その他特別給与額」が公表されています。年収は「月給×12+年間賞与」で概算します。トラック運転者は「営業用大型貨物自動車運転者」と「営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)」の2区分に分かれており、4tトラックのドライバーは「大型車を除く」側に入ります。2t車の運転者も同じ区分なので、この約440万円は4tと2tを合わせた平均です。
同じ調査で、全産業の一般労働者の月額賃金(所定内)は33万400円で、前年より3.8%増えています(2024年・厚労省)。単純に12倍すると約396万円で、これに賞与が加わった額が全産業の年収の目安になります。トラック運転者は賞与が少なく月給の比重が高い賃金構成なので、年収の額面では全産業と大きく変わらない一方、月給の中に時間外手当が多く含まれている点が異なります。
月給と賞与の内訳を分けて見る
トラック運転者の年収は、月給の比重が高く賞与が少ない構成です。営業用貨物自動車運転者の「きまって支給する現金給与額」には時間外手当や走行距離手当などが含まれ、年間賞与は他の職種より小さい傾向があります。この構成の意味は二つあります。一つは、残業や走行距離が減ると年収がそのまま減ること。もう一つは、賞与が少ないぶん月々の手取りは安定して見えることです。求人票の「想定年収」が賞与込みかどうか、賞与が実績ベースかどうかを確認しないと、統計の数字と比べられません。
4tトラックの年収を統計で見るときの注意
- 「大型車を除く」区分には2t車の運転者も含まれる。4t単独の数字ではない
- 年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与」の概算。残業代を含む
- 全国平均なので、都市部と地方、地場と長距離で上下に幅がある
4tトラックの年収を大型・2tと比較
大型トラックとの差はおよそ50万円で、統計上は大型が約490万円、4t・2tを含む中小型が約440万円前後です(2024年・厚労省 賃金構造基本統計調査)。2tは統計上4tと同じ区分ですが、求人の月収例で見ると4tより低めに出る会社が多く、車格が上がるほど年収が上がる構造です。
車格別の比較
| 車格 | 必要な免許 | 統計上の年収 | 主な仕事 | 年収の傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 2t(小型) | 準中型(7.5t未満) | 約440万円前後(4tと同じ区分) | 宅配・ルート配送・引越 | 区分内では低め。手積みが多い |
| 4t(中型) | 中型(11t未満)または8t限定 | 約440万円前後 | 地場配送・センター間輸送・中距離 | 区分の中心。長距離なら上がる |
| 大型(10t) | 大型(11t以上) | 約490万円 | 幹線輸送・長距離・工場間輸送 | 走行距離と手当で差が開く |
| トレーラー | 大型+けん引 | 大型より高い傾向 | 海上コンテナ・幹線輸送 | 大型の上位。求人は少なめ |
車格が上がるほど年収が上がるのは、車格が上がるほど長距離の運行が増え、走行距離手当と時間外手当が積み上がるからです。4tでも長距離を走れば大型の地場と同程度になることがあり、「4tだから低い」と決まっているわけではありません。
2tから4tに上がると何が変わるか
2tから4tに乗り換えると、宅配や小口配送の「件数をこなす」働き方から、センター間輸送や中距離の「1回の運行で運ぶ量が多い」働き方に変わります。手積み手降ろしの比率は下がり、パレットやフォークリフトでの荷役が増えます。年収は同じ統計区分ですが、求人の月収例では4tのほうが高く出ることが多く、中型免許を持っているかどうかで応募できる求人の幅が変わります。
地域と会社の規模でも差が出る
賃金構造基本統計調査は都道府県別・企業規模別にも集計されており、同じ職種でも都市部と地方、大企業と小規模企業で賃金の水準は異なります(2024年・厚労省)。4tの求人は地場配送が中心なので、その地域の荷主の運賃水準がそのまま給与に反映されます。転職で地域を変えない人は、同じ地域の求人同士で比べるのが実態に近い比べ方です。
4tトラックの年収が決まる4つの要素
同じ4tでも年収は300万円台から500万円台まで幅があり、それを決めるのは運行の距離・手当の構成・年代・会社の規模の4つです。統計の平均を見るだけでなく、自分がどの位置にいるかをこの4つで確かめると、転職で上がる余地が分かります。
運行の距離:地場か中距離か長距離か
最も差がつくのが運行の距離です。地場の日帰り配送は拘束時間が比較的短く、そのぶん時間外手当と走行距離手当が少なくなります。中距離・長距離は拘束時間が長く、手当が積み上がって年収は上がりますが、車内泊が増えます。4tの長距離は、大型よりも積載量が少ないぶん運賃が低く、大型の長距離ほどは伸びにくいのが実態です。
手当の構成:基本給がいくらか
トラック運転者の月給は、基本給に時間外手当・走行距離手当・無事故手当・深夜手当などが乗る構成です。求人票の「月収例35万円」のうち基本給が20万円を切る会社は、残業が減ると月収も減ります。2024年4月から改善基準告示の拘束時間の上限が下がったため、時間外に頼った年収は下がる方向にあります。基本給の額と、改正後の実績月収を確認するのが安全です。
年代:40代がピークで、その後は横ばい
賃金構造基本統計調査の職種別の年齢階級別データでは、トラック運転者の賃金は他の職種に比べて年代による上昇が小さく、40代前後で頭打ちになる傾向があります(2024年・厚労省)。運転という仕事の性質上、経験年数が賃金に反映されにくいためです。年代で上げるのではなく、車格と資格で上げるのがドライバーの年収の作り方です。
会社の規模と荷主
大手の運送会社や、大手荷主の専属便を持つ会社は、基本給と賞与の水準が高い傾向があります。小規模の会社は歩合の比率が高く、走った分だけ稼げる一方、拘束時間の管理が緩い会社も混じっています。
荷物の種類でも変わります。冷凍・冷蔵の食品輸送や、時間指定の厳しいセンター便は運賃が高めで、給与の原資が確保されやすい仕事です。一方で、引越や建材のように手積み手降ろしが多い荷物は、体力を使うわりに運賃が低いことがあり、年収に結びつきにくい傾向があります。同じ4tでも「何を、どこからどこへ、どう積んで運ぶか」で年収の上限が決まります。
求人票で年収の実態を読む項目
- 基本給の額(月収例の中で手当を除いた部分)
- 想定年収に賞与が含まれるか、賞与は実績か
- 月の平均拘束時間と休日数(2024年4月以降の実績)
- 手当の種類(走行距離・無事故・深夜・荷役)と支給条件
- 運行の距離(地場・中距離・長距離)と車内泊の有無
- 荷役の方法(パレット・フォークリフト・手積み)
4tの年収が相場より低くなりやすい3つのケース
- 地場の短距離配送で、時間外手当も走行距離手当もほとんどつかない
- 基本給が低く、手当頼みの給与構成で、改善基準告示の改正後に残業が減った
- 手積み手降ろしが多く、体力を使うわりに運賃(=給与の原資)が低い荷主を担当している
4tトラックから年収を上げる4つのルート
4tから年収を上げる最も確実なルートは大型免許を取って大型トラックに移ることで、統計上の差は約50万円です。それに加えて、けん引免許でトレーラーに乗る、フォークリフトや運行管理者の資格で業務の幅を広げる、地場から中距離・長距離に移る、の4つが現実的なルートです。
ルート1:大型免許を取って大型に移る
大型免許は21歳以上で、普通免許等を通算3年以上保有していることが受験の条件です(特例教習を修了すれば19歳以上・1年以上)(警察庁)。中型免許を持っていれば教習の時限数は普通免許からより少なく済み、費用も抑えられます。会社によっては免許取得支援制度があり、入社後に会社負担で大型を取れる求人もあります。大型免許の費用と取り方は以下の記事にまとめています。
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免許取得の費用を抑える方法
大型やけん引の取得には教習所の費用がかかりますが、負担を減らす方法があります。一つは運送会社の免許取得支援制度で、入社後に会社が費用を立て替え、一定期間勤続すると返済が免除される形が一般的です。もう一つは雇用保険の教育訓練給付で、指定を受けた教習所の大型・中型・けん引などの講座は費用の一部が支給されます。対象講座と支給率は厚生労働省の教育訓練給付制度のページと教習所で確認できます。転職を機に取るなら、免許取得支援のある会社を選ぶのが最も負担が軽い方法です。
ルート2:けん引免許でトレーラーに乗る
大型免許に加えてけん引免許を取ると、トレーラー(海上コンテナ・幹線輸送)に乗れます。トレーラーは大型の中でも運賃が高く、運転者の年収も大型より高い傾向があります。求人数は大型より少なく、連結車両の運転技術が要るため、大型で経験を積んでから移るのが一般的です。
ルート3:運行管理者・フォークリフトで業務の幅を広げる
運行管理者(貨物)は、運送会社が営業所ごとに必ず置かなければならない国家資格で、ドライバーから配車・運行管理の仕事に移る入り口になります。運転を続けながら資格を持っていると、年齢を重ねてから管理側に移る道が確保できます。フォークリフトの技能講習は、荷役を伴う運行で採用の条件になることが多く、手当がつく会社もあります。
ルート4:地場から中距離・長距離に移る
免許を変えずに年収を上げるなら、運行の距離を伸ばす方法があります。4tの中距離・長距離は、地場より走行距離手当と時間外手当が積み上がります。ただし車内泊が増え、家族との時間は減ります。年収の上がり幅と生活の変化を天秤にかけて選ぶルートです。
年収を上げるルートの選び方
- 20代〜30代前半で長く運転を続けたい → 大型免許、次にけん引
- 40代以降で体力の不安がある → 運行管理者で管理側への道を作る
- 免許を変えずに今すぐ上げたい → 基本給の高い会社へ転職、または中距離へ
4tトラックに必要な免許:中型・準中型・8t限定の区分
4tトラックの多くは車両総重量が7.5tを超えるため、運転には中型免許が必要で、準中型免許では運転できません。ただし、2007年6月1日以前に取得した普通免許は「8t限定中型免許」として扱われ、車両総重量8t未満・最大積載量5t未満の4t車なら運転できます(警察庁)。
免許の区分(2017年3月12日以降)
| 免許 | 車両総重量 | 最大積載量 | 受験資格 | 運転できるトラックの目安 |
|---|---|---|---|---|
| 普通 | 3.5t未満 | 2t未満 | 18歳以上 | 軽トラ・1t車 |
| 準中型 | 7.5t未満 | 4.5t未満 | 18歳以上(経験不要) | 2t〜3t車 |
| 中型 | 11t未満 | 6.5t未満 | 20歳以上・普通等を通算2年以上 | 4t車・増トン車 |
| 大型 | 11t以上 | 6.5t以上 | 21歳以上・普通等を通算3年以上 | 10t車 |
出典:警察庁「準中型免許」「免許の区分、受験資格等の改正概要」。中型・大型は特例教習を修了すれば19歳以上・経験1年以上で受験できます。
「4t車」と車両総重量の関係
「4t車」は最大積載量がおおむね4tの車を指す呼び方で、車両総重量は車体の重さを足して7.5t〜8t前後になります。標準的な4t車は総重量8t未満に収まることが多く、8t限定中型免許でも運転できます。一方、荷台の長いロング車やワイド車、最大積載量を6t台に増やした「増トン車」は総重量が8tを超えるため、8t限定では運転できず、限定解除か中型免許が必要です。求人票の「4t車」が総重量何tの車なのかは、車検証で確かめるしかないので、応募時に聞くのが確実です。
8t限定の「限定解除」という選択
8t限定中型免許を持っている人が増トン車やワイド車に乗るなら、免許を取り直すのではなく「限定解除」で足ります。限定解除は教習所で技能教習を受けて審査に合格する形で、普通免許から中型を取るより時限数が少なく済みます。4tの求人で「中型免許(8t限定不可)」と書かれているものは、この限定解除をしておくと応募できるようになるので、応募先の車両を確かめてから判断すると無駄がありません。
準中型からの取り方と費用の考え方
2017年3月12日以降に普通免許を取った人は、そのままでは総重量3.5t未満までしか運転できません。4tに乗るには中型免許を取る必要があり、受験には20歳以上で普通免許等を通算2年以上の保有が求められます(警察庁)。教習所の費用は普通免許から取る場合と準中型から取る場合で異なり、8t限定の解除なら教習の時限数が少なく済みます。中型免許の費用と取得の流れは以下の記事にまとめています。
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まとめ
4tトラックドライバーの年収は約440万円前後で、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年)の「営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)」の水準です。大型は約490万円で、差はおよそ50万円。この差は車格そのものより、大型のほうが長距離の運行が多く、走行距離手当と時間外手当が積み上がることで生まれています。
年収を上げるルートは、大型免許で大型に移る、けん引免許でトレーラーに乗る、運行管理者やフォークリフトで業務の幅を広げる、地場から中距離・長距離に移る、の4つです。4tに乗るには中型免許(総重量11t未満)が必要で、準中型では多くの4t車に乗れません。2007年6月以前の普通免許は8t限定中型として標準的な4t車に乗れますが、増トン車やワイド車には限定解除が要ります。自分の免許で乗れる車と、求人票の基本給の額を確かめてから、次の一歩を決めてください。
シゴトのホント編集部
4tの年収は「大型より50万円低い」と一言でまとめられがちですが、統計の区分には2tも入っていて、4t単独ではもう少し上にいる可能性があります。年収を上げたいなら、まず求人票の基本給と改善基準告示の改正後の実績月収を確認し、そのうえで大型免許に進むかを決める。免許は一度取れば戻らない資産なので、取れる年齢と経験年数に達しているなら、早めに動いたほうが選択肢は広がります。
参照ソース
- 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額|e-Stat — 営業用大型貨物自動車運転者・営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)の年収と年齢階級別賃金の根拠
- 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省 — 一般労働者の月額賃金33万400円(前年比3.8%増)の根拠
- 準中型免許で運転できる自動車|警察庁 — 準中型免許の範囲(車両総重量7.5t未満・最大積載量4.5t未満)と普通免許の範囲の根拠
- 免許の区分、受験資格等の改正概要について|警察庁 — 中型・大型免許の受験資格(年齢・経験年数)と特例教習の根拠


