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未経験から電気工事士になるには?資格取得の順番と入り方

未経験から電気工事士になるには?資格取得の順番と入り方

「未経験だけど電気工事士になれるのか」「資格はどの順番で取ればいいのか」と迷っていませんか。結論から言うと、電気工事士は学歴や年齢、実務経験を問わず誰でも挑戦できる資格で、未経験からの転職者も少なくありません。この記事では、受験資格の実態、第二種電気工事士から始める資格取得の順番、働きながら資格を取る方法、未経験入社後のキャリアパスまで、公式情報をもとに解説します。

電気工事士全般の悩みは電気工事士完全ガイドにまとめています。

未経験からでもなれるのか|受験資格の実態(実務経験不要)

「未経験で電気工事のことを何も知らないのに、本当に資格を取れるのか」という不安はもっともです。しかし結論は明確で、電気工事士試験には年齢・学歴・実務経験による受験制限がありません。

試験を実施する一般財団法人電気技術者試験センターは、よくある質問で次のように回答しています。

「電気系の仕事が未経験でも受験できますか?」という質問に対し、「はい、受験資格に実務経験は不要で、誰でも受験可能です」と明記されています(出典は記事末尾)。年齢の上限や下限も設けられておらず、社会人になってから独学で挑戦する人も珍しくありません。

第二種電気工事士試験は学科試験技能試験の2段階で構成されます。学科試験はマークシート(またはCBT方式)の四肢択一で、次の7科目から出題されます。

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  4. 電気工事の施工方法
  5. 一般用電気工作物等の検査方法
  6. 配線図
  7. 一般用電気工作物等の保安に関する法令

学科に合格した人だけが技能試験に進め、配線図をもとに実際に回路を組み立てる実技が課されます。試験センターは技能試験の候補問題をあらかじめ公表しており、本番ではそのうちの1問が出題される方式です。候補問題を実際に手を動かして練習しておけば、未経験からでも合格ラインに届きやすい試験だといえます。試験は年2回(上期・下期)実施されるため、1回落ちても同じ年のうちに再挑戦できます。

実際に受験する人の内訳を見ても、建築・設備業界の経験者だけでなく、事務職や販売職、ドライバーなど電気とは縁のなかった職種からの転職者も少なくありません。年齢層も学生から50代の転職希望者まで幅が広く、「未経験だから受けられない」という制度上の壁は存在しません。

第二種電気工事士 受験資格でよくある誤解

  • 「電気科の卒業生しか受けられない」→誤り。学歴不問で誰でも受験できる
  • 「実務経験がないと出願できない」→誤り。実務経験が関係するのは免状交付ではなく、上位資格である第一種へのステップアップ時
  • 「年齢制限がある」→誤り。上限も下限も設けられていない

ここで注意したいのは、受験資格と「免状交付の条件」は別物だという点です。第二種は合格すればそのまま免状が交付されますが、上位資格の第一種は合格後に一定の実務経験を積む必要があります。この違いは次の章で詳しく見ていきます。

学科試験が免除されるケースもある

なお、学科試験には免除の仕組みもあります。前回または前々回の学科試験に合格している人、法令で定められた電気工学課程を修めた高等学校・高専・大学などの卒業者、電気主任技術者免状の取得者などは、申請により学科試験が免除されます。未経験からの挑戦であっても、過去に理系の学校で電気系の科目を履修した経験がある人は、対象になるかどうかを試験センターの案内で確認しておくとよいでしょう。学科試験の申込から技能試験までは数か月単位のスケジュールになるため、転職や入社の時期を考えている人は、試験日程を先に確認してから逆算して計画を立てることをおすすめします。

資格取得の順番|第二種電気工事士から始めるルート

未経験から電気工事士を目指すなら、遠回りに見えても第二種電気工事士から始めるのが最短ルートです。理由は単純で、第二種は実務経験なしで受験でき、合格すればすぐに現場に立てる名義になるからです。

第二種電気工事士が扱えるのは、電力会社から600V以下で受電する「一般用電気工作物」の工事です。一般家庭や商店、小規模な事業所の配線・電気工事はこの範囲に含まれるため、未経験からのキャリアの入り口としては十分な仕事量があります。まずはこの範囲の実務を経験し、その先に高圧受電設備まで扱える第一種を見据える、という順序が現実的です。

第二種電気工事士の学科試験合格から第一種電気工事士の免状交付までを4段階で示した図解

第二種に合格した後は、一般用電気工作物の工事に従事しながら実務経験を積みます。この経験は、将来上位資格である第一種電気工事士に挑戦するときにそのまま生きます。一般財団法人電気技術者試験センターによれば、第一種電気工事士の免状交付には合格後に通算3年以上の実務経験が必要です。さらに、第二種電気工事士としてすでにその実務経験を満たしていれば、第一種合格後すぐに免状を申請できるとされています。

つまり、未経験者が最短で第一種まで到達する順番は次のとおりです。

順番 やること ポイント
1 第二種電気工事士 学科試験に合格 学歴・年齢・実務経験は問われない
2 第二種電気工事士 技能試験に合格 学科合格者だけが挑戦できる
3 第二種の名義で実務経験を積む 一般用電気工作物の工事に従事する
4 第一種電気工事士試験に合格 学科・技能とも第二種より出題範囲が広がる
5 通算3年以上の実務経験で免状交付 第二種時代に積んだ経験も通算できる

第一種を取ると、扱える工作物の範囲が住宅用から高圧受電のビルや工場まで広がり、任せられる仕事の幅が一気に増えます。ただし最初の一歩は必ず第二種から、という順番だけは変わりません。

第二種に合格したらすぐ転職していいか

第二種電気工事士の免状は、学科・技能の両方に合格すれば実務経験なしでもそのまま取得できます。ここで「資格を取ってから転職する」か「未経験のまま転職してから資格を取る」かで迷う人もいますが、電気工事業界では後者、つまり未経験枠で先に採用し、入社後に会社のサポートで取得させるという採用の形も一般的です。どちらのルートを選ぶかは、今の仕事を続けながら学習時間を自分で確保できるかどうかで判断するとよいでしょう。

第一種電気工事士に進むタイミング

第一種電気工事士は、住宅用の低圧工事だけでなく、店舗や工場で使われる高圧受電設備(自家用電気工作物)の工事にも対応できるようになる資格です。第二種取得後、現場で実務経験を積みながら学科・技能の勉強を並行して進め、実務経験が通算3年に達するタイミングで免状交付を申請できるように準備しておくと、キャリアの停滞を防ぎやすくなります。

働きながら資格を取る方法|企業の資格支援制度

未経験から電気工事士を目指す人の多くは、すでに別の仕事をしながら学習時間を作っています。独学で参考書と過去問を回す方法もありますが、働きながらだと学習時間の確保がボトルネックになりがちです。

このとき見落とされがちなのが、転職先の企業が用意している資格支援制度です。電気工事業では人手不足が続いているため、未経験者を採用したうえで資格取得を後押しする会社が少なくありません。具体的には次のような制度があります。

転職先の資格支援制度で確認したい3点

  • 受験料・教材費・通信講座費用を会社が負担してくれるか
  • 資格取得後に資格手当がつくか、金額はいくらか
  • 学科・技能試験の前に休暇や勤務調整をしてもらえるか

こうした企業の取り組みを後押ししているのが、厚生労働省の人材開発支援助成金です。同制度は、事業主が労働者に対して「職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等」を実施した場合に、経費や賃金の一部を助成する仕組みです。対象講座の要件を満たせば、電気工事士の受験対策講座を含む研修費用の負担軽減に活用できます。求人票や面接で「資格支援制度の実績」を尋ねてみると、この助成金を使って研修費を負担している会社かどうかの見当がつきます。

独学・通信講座・スクール、どれを選ぶか

働きながらの学習方法には大きく3つの選択肢があります。参考書と過去問中心に自分のペースで進める独学、動画やテキストがセットになった通信講座、そして通学して実技を指導してもらうスクールです。学科試験は独学でも対応しやすい一方、技能試験は工具の使い方や時間配分にクセがあるため、通信講座やスクールで実技指導を受けたほうが習得が早い人もいます。会社の資格支援制度が特定の講座やスクールと提携している場合は、その制度に乗るのが費用面でも学習効率でも近道です。

企業の資格支援制度は、受験料や教材費の補助にとどまりません。社内に資格保有者がいる会社であれば、先輩社員が技能試験の練習に付き合ってくれることもあります。面接の段階で「資格取得者はどのくらいいるか」「支援制度を使って取得した人の実績」を尋ねておくと、制度が形だけでなく実際に機能しているかどうかを見極めやすくなります。

学習フェーズごとに時間の使い方を変えるのも効率化のコツです。学科試験までは通勤時間や休憩時間を使った過去問演習を中心に進め、技能試験が近づいたら休日にまとまった時間を取って候補問題を一通り仕上げる、というようにメリハリをつけると、働きながらでも無理なく両立しやすくなります。

未経験者が転職の面接で聞かれやすいこと

未経験から電気工事士を目指す人を採用する企業は、資格の有無だけでなく「なぜ今から電気工事の仕事を選ぶのか」「体力的な負荷がある仕事を続けられるか」を面接で確認する傾向があります。学科試験の学習をすでに始めている、あるいは受験を申し込んでいるという事実は、本気度を示す材料になります。あわせて、資格支援制度をどう活用したいかを具体的に話せると、入社後のミスマッチも起きにくくなります。

未経験入社後のキャリアパス

第二種電気工事士を取得して未経験入社した後、最初から一人で現場を任されるわけではありません。多くの場合、先輩について配線や結線の補助をしながら、現場の段取りや安全管理を覚える期間があります。入社1年目は、配線の敷設や結線、分電盤の取り付けといった補助作業からスタートするのが一般的で、現場によっては早朝からの作業や屋外での立ち仕事が続くこともあります。体力面での適応が、未経験入社後にまず直面しやすいハードルです。

未経験からのスタートで直面しやすい3つの壁

  • 覚えることの多さ — 配線図の読み方や法令(電気設備技術基準など)を並行して学ぶ必要がある
  • 体力面の負荷 — 高所作業や屋外作業が多く、天候に左右されやすい
  • 学習時間の確保 — 入社後も第一種を見据えて学科・技能の勉強を続ける必要がある

実務経験を積みながら第一種電気工事士を取得すると、扱える工事の範囲が広がり、現場でのポジションも変わってきます。その先のキャリアは大きく3つに分かれます。

  • 現場の職人としてスキルを深め、高圧受電設備など難易度の高い工事を任される — 第一種取得後は自家用電気工作物にも対応でき、任される現場の規模が変わる
  • 施工管理側に回り、工程管理や協力会社とのやり取りを担う — 現場経験を積んだうえで、複数の工程を管理する立場に移る道
  • 実務経験と資格を武器に独立・開業を目指す — 第一種の実務経験を重ねた先の選択肢として、個人事業や法人での独立がある

建物がある限り、電気設備の新設・改修・点検の需要はなくなりません。景気の波を受けにくく、資格と実務経験を積み重ねるほど任される仕事の幅も広がっていくため、未経験から始めても長期的なキャリアを描きやすい職種だといえます。

会社選びで見ておきたい規模とスペシャリティ

未経験入社の会社選びでは、資格支援制度の有無に加えて、会社の規模と得意分野も見ておくと入社後のギャップを減らせます。地域密着の電気工事店は、住宅から小規模店舗まで幅広い現場を経験しやすく、第二種の範囲の実務を早いペースで積みたい人に向いています。一方、ビルメンテナンス系や設備会社は教育体制が整っていることが多い反面、担当する工事の分野が絞られやすい傾向があります。どちらが良い悪いではなく、自分が積みたい実務経験の種類に合わせて選ぶという視点を持つと、未経験入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。

未経験からのモチベーションを保つには

未経験入社の最初の数か月は、覚えることの多さと体力的な負荷が重なり、心が折れそうになる瞬間もあるかもしれません。それでも電気工事は、自分が手を動かした配線や設備が実際に建物の中で稼働し、目に見える形で残る仕事です。小さな現場を任されるようになるたびに、資格と経験が確実に積み上がっている実感を得やすい点は、未経験からのキャリアを続けるうえで支えになります。

学科試験の合格、技能試験の合格、第二種の免状交付、初めて任された現場、第一種への挑戦、というように節目を区切って振り返ると、遠く見えるゴールも段階的な達成の積み重ねとして捉えやすくなります。焦って一足飛びに第一種まで目指すより、いま目の前の一段を確実に上ることを意識するほうが、結果的に挫折しにくいルートです。

どのルートを選ぶにしても、出発点は第二種電気工事士の取得です。未経験を理由に諦める前に、まず学科試験の申込から動いてみることが最初の一歩になります。

シゴトのホント編集部

「未経験だから無理かもしれない」と足踏みしている間も、受験資格そのものに制限がないという事実は変わりません。まずは第二種電気工事士の試験日程を確認し、学科試験の申込から動いてみるのが、遠回りに見えて一番早いルートです。転職を考えている場合は、資格支援制度の有無で会社を比較してみてください。

「電気工事士はやめとけ」という声が気になる人は、あわせてこちらの記事も参考にしてください。

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参照ソース

FAQよくある質問

電気工事士は未経験でも本当になれますか?

はい。第二種電気工事士試験は学歴・年齢・実務経験の制限がなく、誰でも受験できます。学科試験と技能試験に合格すれば、未経験からでも免状を取得できます。

第二種と第一種、どちらから取得すればよいですか?

未経験者はまず第二種電気工事士から始めるのが一般的です。第二種は実務経験なしで免状が交付されますが、第一種は合格後に3年以上の実務経験が必要になります。

働きながら資格取得の費用を抑える方法はありますか?

会社によっては受験料や教材費を補助する資格支援制度があり、人材開発支援助成金などの公的制度を活用している企業もあります。応募前に制度の有無を確認するとよいでしょう。

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