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自動車整備士の資格は3級・2級・1級?種類と取得ルートを解説

自動車整備士の資格は3級・2級・1級?種類と取得ルートを解説

「自動車整備士の資格には3級・2級・1級があるらしいが、何が違うのか分からない」「受験資格に実務経験が必要と聞いたが、何年必要なのか」——資格取得を考え始めると、こうした疑問にぶつかるのではないでしょうか。本記事では等級ごとの作業範囲の違い、受験に必要な実務経験年数、整備専門学校ルートと実務経験ルートという2つの取得方法を整理して解説します。

自動車整備士としてのキャリア全般は自動車整備士のキャリア完全ガイドにまとめています。

自動車整備士の資格は3級・2級・1級の3種類がある

自動車整備士は、道路運送車両法に基づく国家資格で、自動車の点検整備を行う技術者としての知識と技能を公的に証明するものです。資格には大きく分けて3級・2級・1級の3つの等級があり、等級が上がるほど扱える整備の範囲や求められる専門知識の水準が高くなります。試験は学科試験と実技試験で構成されており、学科は共通の基準に沿って実施され、実技試験は整備専門学校の卒業によって免除を受ける人が多いという特徴があります。

学科試験と実技試験の内容

学科試験は、自動車の構造や整備に関する基礎知識を問うマークシート方式などで実施されるのが一般的です。実技試験は、実際に工具を使って点検・整備作業を行い、手順や仕上がりを確認する形式で実施されます。整備専門学校の多くは実技試験に相当する内容を授業のなかで習得できるようカリキュラムを組んでおり、卒業と同時に実技試験が免除される制度が整えられています。

3級・2級・1級はさらに種別に分かれる

3級と2級は、対象となる自動車の種類に応じてさらに細かい種別に分かれているのが特徴です。3級には「三級自動車シャシ整備士」「三級自動車ガソリン・エンジン整備士」「三級自動車ジーゼル・エンジン整備士」などの区分があり、2級にも「二級ガソリン自動車整備士」「二級ジーゼル自動車整備士」「二級自動車シャシ整備士」「二級二輪自動車整備士」といった区分が存在します。1級は「一級小型自動車整備士」「一級大型自動車整備士」「一級二輪自動車整備士」に分かれており、対象車種の規模や種類によって求められる知識の範囲が異なります。

特殊整備士という区分もある

3級・2級・1級とは別に、特定の作業に特化した「特殊整備士」という資格区分も設けられています。具体的には、タイヤの整備に関する専門知識を証明するタイヤ整備士、車体の板金・修正作業を専門とする車体整備士、電気装置の点検整備を専門とする電気装置整備士の3種類です。特殊整備士は等級制ではなく、特定分野の専門性を証明する資格という位置づけである点が、3級・2級・1級と異なります。

資格が整備工場での役割にもつながる

自動車整備士の資格を持つことは、整備工場における「自動車検査員」や「整備管理者」といった役割を担ううえでも重要な前提になります。自動車検査員は整備工場が保安基準適合の検査を行う際に必要な資格者で、一定の実務経験を経た整備士が地方運輸局長の認定を受けることで選任されます。整備管理者は事業用自動車を一定台数以上保有する事業者に選任が義務づけられている役割で、自動車整備士の資格を持つことが選任要件の一つになっています。

自動車整備士の資格制度を理解する3つのポイント

  • 等級は3級・2級・1級の3段階で、上位ほど扱える整備範囲が広がる
  • 3級・2級はさらに対象車種別(ガソリン・ジーゼル・シャシ・二輪など)に分かれる
  • タイヤ整備士・車体整備士・電気装置整備士という、等級制とは別の特殊整備士区分もある

等級ごとにできる整備作業の範囲の違い

自動車整備士の資格で実務上大きな意味を持つのが、等級によって単独で担当できる整備作業の範囲が異なるという点です。3級は基礎的な整備作業を中心に担当し、2級は一般的な整備業務を単独で行える範囲が広がり、1級はエンジンの電子制御装置など高度な故障診断を含む整備まで対応できるようになります。等級が上がるほど、任される仕事の幅が大きく変わってきます

3級整備士が担当する作業

3級整備士は、日常点検や定期点検といった基礎的な整備作業を中心に担当します。具体的には、エンジンオイルやフィルター類の交換、ブレーキパッドの点検・交換、タイヤ関連の点検作業など、比較的定型的な作業が中心です。3級はあくまで基礎資格という位置づけのため、複雑な故障診断や高度な電子制御系の整備は、上位資格を持つ整備士の指導・確認のもとで進める場面が多くなります。

2級整備士が担当する作業

2級整備士になると、一般的な整備工場で行われる整備業務のほとんどを単独で担当できるようになります。エンジンの分解整備、足回りの整備、電装品のトラブルシューティングなど、対応できる作業の幅が3級に比べて大きく広がります。多くの整備工場では2級整備士が現場の中核を担っており、車検整備の実務を任されるのも2級以上の整備士であるケースが一般的です。

1級整備士が担当する作業

1級整備士は、2級整備士が対応する整備業務に加えて、近年の自動車に搭載が進む先進運転支援システムや電子制御装置など、高度な故障診断を要する整備にも対応できる知識・技能を証明する資格です。ユーザーへの整備内容の説明や後輩整備士への指導的な役割を担うことも期待されており、整備工場のなかで技術面のまとめ役を担う立場になることが多いと考えられます。

特殊整備士の資格と組み合わせて専門性を高める整備士も

3級・2級・1級の等級とは別に、タイヤ整備士や車体整備士、電気装置整備士といった特殊整備士の資格を組み合わせて取得する整備士もいます。特定の作業領域について等級とは異なる角度から専門性を証明できるため、板金・塗装を専門とする整備工場や、電気系統のトラブルに強みを持つ整備工場で働くうえで役立つ場面があると考えられます。

等級 主な対象作業 求められる知識水準
3級 日常点検・定期点検などの基礎的な整備作業 自動車整備の基礎知識
2級 一般整備・車検整備を単独で担当 実務で求められる幅広い整備知識
1級 電子制御装置を含む高度な故障診断、後輩指導 高度な整備知識と診断力

実際に担当できる作業の範囲は、整備工場ごとの業務分担や本人の経験によっても変わってきます。上記の表はあくまで一般的な傾向として捉え、就職先や配属先での実際の業務範囲は、現場の説明を確認することをおすすめします。

自動車整備士の資格を取得するための受験資格と実務経験年数

自動車整備士の資格を受験するには、等級ごとに定められた受験資格を満たす必要があります。受験資格は主に実務経験の年数によって定められており、整備を学べる学校を卒業したかどうかによって必要な実務経験の年数が短縮される仕組みになっている点が特徴です。等級が上がるほど求められる実務経験の年数も長くなる設計になっていると考えられます。

3級の受験資格

3級整備士は、3つの等級のなかでは比較的短い実務経験で受験資格を得られる等級です。実務経験によって受験する場合は一定期間の整備実務経験が求められますが、専門学校や高校の自動車整備関連の学科で所定の課程を修了した人は、在学中や卒業と同時に受験できるコースが用意されている場合があります。学校で体系的に整備を学んだ人ほど、実務経験の年数要件が短縮される、あるいは免除される仕組みになっていると考えられます。

2級の受験資格

2級整備士は、3級整備士に合格したうえで一定期間の実務経験を積むことが基本的な受験資格になります。一方で、国が認定する2級整備士養成課程のある専門学校を卒業した場合は、3級を経由せずに2級を受験できるルートや、実技試験が免除されるルートが用意されています。実務経験だけで積み上げるよりも、専門学校での学習を通じて受験資格を得る人が一定数いると考えられます。

1級の受験資格

1級整備士は、2級整備士としての実務経験を積んだうえで受験するのが基本のルートです。1級整備士の養成課程を持つ専門学校を卒業した場合は、実務経験の年数要件が異なるルートが用意されています。1級は3つの等級のなかでもっとも求められる実務経験・知識の水準が高く、受験者数も2級・3級に比べて少ない資格だとされています。

実務経験としてカウントされる業務

実務経験としてカウントされるのは、整備工場やディーラーなどで実際に自動車の点検・整備に携わった期間が基本です。事務作業や部品の販売業務など、直接整備に携わらない業務は実務経験に含まれないケースがあるため、受験資格を積み上げる段階では、自分が担当している業務が実務経験として認められる内容かどうかを、勤務先や検定を実施する機関に確認しておくと安心です。

受験資格の詳細な年数や学歴ごとの免除条件は、検定職種や学校の認定区分によって細かく規定されています。正確な年数を確認したい場合は、国土交通省や日整連が公表している最新の受験資格の資料にあたることをおすすめします。実務経験の年数は法令改正によって見直される可能性もあるため、受験を計画する段階で最新情報を確認する姿勢が大切です。また、受験資格の考え方は検定職種(整備する車種や特殊整備士の種類)によっても異なるため、自分が目指す資格に合わせて条件を個別に確認することが大切です。

資格取得までの2つのルート|整備専門学校ルートと実務経験ルート

自動車整備士の資格を取得するまでの道のりは、大きく分けて「整備専門学校ルート」と「実務経験ルート」の2つに整理できます。どちらのルートを選ぶかによって、資格取得までにかかる期間や、学ぶ内容の順序が変わってきます。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合ったルートを選ぶことが大切です。

整備専門学校ルート

整備専門学校ルートは、国が認定する自動車整備専門学校に進学し、体系的なカリキュラムに沿って整備の知識と技能を学ぶ方法です。多くの専門学校では、卒業と同時に2級整備士の実技試験が免除される課程が用意されており、学科試験に合格すれば2級整備士の資格を取得できる仕組みになっています。在学中から実習設備を使って整備の基本作業を反復して学べることが、このルートの大きな特徴です。

専門学校ルートは、卒業までに一定の学費と就学期間がかかる一方で、実務経験を積みながら受験資格を満たす場合に比べて、体系立てて知識を身につけやすいという側面があります。就職活動においても、整備専門学校の卒業生を対象とした求人ルートを用意しているディーラーや整備工場が多く、卒業後の就職先を見つけやすいという声もあります。

実務経験ルート

実務経験ルートは、整備工場に就職し、働きながら実務経験を積んで受験資格を満たしていく方法です。専門学校を経由しない分、早い段階から収入を得ながら整備の仕事に携われる点が特徴です。ただし、学科試験の対策は独学や通信講座など自分で学習の機会を確保する必要があり、実技試験についても専門学校ルートのような免除制度がないため、実技試験そのものに合格する必要があります。

実務経験ルートを選ぶ場合は、日々の業務のなかでどれだけ幅広い整備作業を経験できるかが、その後の実技試験対策や2級・1級へのステップアップに影響してくると考えられます。特定の作業だけを反復する環境よりも、点検・分解整備・車検整備など幅広い業務に携われる職場を選ぶことが、実務経験ルートで着実にステップアップするうえでのポイントになります。

社会人から整備士を目指す場合の考え方

社会人経験を経てから自動車整備士を目指す場合も、整備専門学校ルートと実務経験ルートのどちらも選択肢になります。学費や生活費の負担を考えて、まず整備工場に転職して実務経験ルートで3級を目指し、そこから2級・1級へとステップアップしていく進め方を選ぶ人もいます。一方で、短期間で体系的に知識を身につけたい場合は、社会人向けのコースを設けている整備専門学校に通う方法も検討する価値があります。

比較項目 整備専門学校ルート 実務経験ルート
学ぶ順序 学校で体系的に学んでから就職する 就職して働きながら学ぶ
実技試験 卒業により免除されるケースが多い 実技試験に合格する必要がある
費用・期間 学費と就学期間がかかる 早い段階から収入を得られる
学習の進め方 カリキュラムに沿って体系的に学べる 独学・通信講座などを自分で組み立てる

整備専門学校ルート・実務経験ルートのいずれを選ぶ場合も、進学先や就職先の情報を早めに集めておくことが、無理のない資格取得につながります。学校を選ぶ際はカリキュラムの内容や実技試験免除の対象範囲を、就職先を選ぶ際は幅広い整備業務を経験できる環境かどうかを、それぞれ確認しておくとよいでしょう。

実務経験ルートで気をつけたい3点

  • 学科試験対策を自分で計画しないと、学習が後回しになりやすい
  • 実技試験の免除がないため、試験当日に向けた実技練習の機会を職場外でも確保する必要がある
  • 特定の作業ばかりを担当していると、上位資格に必要な幅広い経験が積みにくい

自動車整備士の資格を取得するメリットと今後求められる知識

自動車整備士の資格を取得するメリットは、整備の仕事に就くための土台になるだけでなく、転職や独立を考える際の選択肢を広げてくれる点にもあります。資格の等級や特殊整備士の種類によって、応募できる求人の幅や任される業務の内容が変わってくるため、将来のキャリアを見据えて上位資格や特殊整備士を目指す人も少なくありません。

電動化が進む自動車と求められる知識の変化

近年は電気自動車やハイブリッド車の普及が進んでおり、従来のエンジン中心の整備知識だけでなく、高電圧の電気装置を安全に扱う知識や、車両に搭載されたコンピューターが出す診断情報を読み解く力が求められる場面が増えていると考えられます。特殊整備士のうち電気装置整備士や、電子制御装置の故障診断まで対応できる1級整備士は、こうした変化のなかで役割が広がっていく可能性がある資格だといえます。

資格が給与や手当に反映されるケースもある

整備工場やディーラーのなかには、自動車整備士の資格取得や上位等級への昇級を、資格手当や役職といった形で処遇に反映している職場もあります。反映のしかたは勤務先によって異なるため、実際にどのような形で評価されるのかは、求人情報や面接の場で確認しておくことをおすすめします。等級が上がるほど任される業務の範囲が広がることを踏まえると、資格は日々の業務内容だけでなく、将来の待遇にも関わってくる要素だと考えられます。

資格取得後も続く学習の必要性

自動車整備士は、資格を取得した時点がゴールではなく、そこから先も新しい車種や技術に対応するための学習を続けていく必要がある仕事です。整備工場やディーラーでは、メーカーが実施する研修や社内の技術講習を通じて、資格取得後も知識をアップデートしていく仕組みが整えられているケースが多く見られます。資格はあくまで一定水準の知識・技能を証明する出発点であり、そのうえでどれだけ知識を更新し続けられるかが、整備士としての市場価値に影響してくると考えられます。

将来を見据えて意識しておきたい3点

  • 電動化が進むほど、電気装置に関する知識の重要性が増していくと考えられる
  • 資格取得後も研修や講習を通じて知識をアップデートし続ける姿勢が求められる
  • 上位資格や特殊整備士の取得は、任される業務の幅を広げる選択肢になる

まとめ|自動車整備士の資格は等級と取得ルートを理解して選ぶ

自動車整備士の資格は、3級・2級・1級という3つの等級によって整備できる作業の範囲が段階的に広がっていく仕組みになっています。受験資格は実務経験の年数を軸に定められており、整備専門学校で学んだ場合は年数の要件が緩和されるなど、学歴によって道のりが変わってくる点も押さえておきたいポイントです。

資格取得までのルートは、体系的に学べる整備専門学校ルートと、働きながら経験を積む実務経験ルートの大きく2つに分かれます。どちらのルートにも一長一短があり、自分の学習スタイルや経済的な事情に合わせて選ぶことが、無理なく資格取得を目指すうえで重要になります。

シゴトのホント編集部

自動車整備士の資格は等級によってできる仕事の幅が大きく変わるため、まずは自分がどのルートで受験資格を満たせるのかを確認するところから始めるとよいでしょう。専門学校ルートか実務経験ルートかで、学び方も働き方も変わってきます。

参照ソース

FAQよくある質問

自動車整備士の資格は何級から取得すればよいですか?

一般的には3級から取得し、実務経験を積みながら2級、1級と段階的にステップアップしていくルートが基本です。整備専門学校を卒業する場合は、3級を経由せず2級から目指せる課程が用意されていることもあります。

2級と3級では整備できる作業の範囲はどう違いますか?

3級は日常点検や定期点検など基礎的な作業が中心であるのに対し、2級はエンジンの分解整備や車検整備まで含めた一般的な整備業務を単独で担当できる範囲に広がります。多くの整備工場で現場の中核を担うのは2級以上の整備士です。

整備専門学校に通わなくても資格を取得できますか?

整備工場に就職し、実務経験を積むことで受験資格を満たす「実務経験ルート」でも取得可能です。ただしこのルートでは実技試験の免除がないため、学科・実技とも自分で試験対策を計画する必要があります。

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