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ビルメンの年収はいくら?資格・経験別の給料相場と上げ方

ビルメンの年収はいくら?資格・経験別の給料相場と上げ方

「ビルメン 年収」で検索すると、サイトごとに金額が食い違っていて、結局いくらなのか分からなくなった人は多いはずです。集計の母数や対象年齢層が違えば数字はぶれて当然ですが、根拠となる出典が書かれていない年収記事も少なくありません。この記事では、厚生労働省の職業能力評価基準や全国ビルメンテナンス協会の実態調査など、出典をたどれる公的統計・業界団体データだけを根拠に、ビルメンの年収相場と、資格・経験年数による違い、年収を上げる方法を整理します。

設備管理のキャリア全般の悩みは設備管理のキャリア完全ガイドにまとめています。

ビルメンの年収相場|公的統計で確認できる実態

最初に前提を書きます。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の職種小分類を調べた範囲では、設備管理やビルメンを単独で切り出した区分は見当たりませんでした。今回確認できたのは、ビルメンテナンス業に含まれる隣接職種の「ビル・建物清掃員」と「警備員」の数字です。令和5年調査では、ビル・建物清掃員の平均年齢は53.2歳・きまって支給する現金給与額(月)は21.59万円(労働者数132,500人)、警備員は平均年齢51.6歳・同27.98万円(同196,960人)でした。「きまって支給する現金給与額」は、所定内給与に残業代などの超過労働給与を加えた、税・社会保険料を差し引く前の月額を指す統計用語で、賞与(年間賞与その他特別給与額)は別集計のためこの数字には含まれていません。ただしこれらは清掃・警備の職種区分であり、電気設備や空調・給排水設備を扱う設備管理そのものの数字ではない点に注意が必要です。ネット上の「ビルメン年収◯◯万円」という記事の多くが、実はこの隣接職種の数字や、母数の分からない求人サイトの平均値を根拠にしています。

設備管理そのものに近い数字としては、業界団体である公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が会員企業を対象に毎年実施している実態調査があります。第56回調査(2025年10〜12月実施)によると、30〜50歳程度の常勤従業員を中途採用で募集する際の平均月給は、設備管理が27.3万円、一般清掃が22.8万円、警備が22.5万円でした。前年の第55回調査(2024年9〜11月実施)では設備管理26.0万円・一般清掃21.5万円・警備21.1万円で、設備管理の募集賃金は1年で約5%上昇しています。

区分 第55回(2024年9〜11月) 第56回(2025年10〜12月)
設備管理 26.0万円 27.3万円
一般清掃 21.5万円 22.8万円
警備 21.1万円 22.5万円
全国ビルメンテナンス協会の第56回実態調査による中途採用募集時の平均月給比較。設備管理27.3万円、一般清掃22.8万円、警備22.5万円で、資格保有が前提の設備管理が最も高い

この数字を読むときに気をつけたいこと

  • あくまで「中途採用で募集する際の平均月給」であり、個人が実際に受け取る年収そのものではない
  • 賞与・資格手当・宿直手当は含まれていない
  • 単純に12倍すると327.6万円になるが、これは賞与を含まない机上の計算にすぎない

賞与や各種手当を含めた実際の年収は、勤務先の規模・保有資格・宿直や夜勤の有無によって個人差が大きく、公的統計だけで一意に決めることはできません。求人を比較する段階では、月給の額面だけでなく、賞与の有無・宿直手当・資格手当が別建てで支給されるかを求人票で確認することが、実質的な年収を見誤らないポイントになります。

全国ビルメンテナンス協会の実態調査は、都道府県のビルメンテナンス協会に加盟する事業所を対象に、質問紙による郵送調査とインターネット調査を併用して毎年実施されています。国が全数を対象にする公的統計とは性格が異なり、あくまで会員企業を対象にした業界団体の調査ですが、賃金構造基本統計調査に設備管理という区分がない以上、設備管理の賃金動向を年ごとに追える数少ない情報源です。

なぜ「ビルメン年収」の数字はサイトごとに違うのか

検索すると年収の数字がサイトごとに食い違って見えるのは、多くの場合、集計の母集団が違うためです。正社員だけを対象にしているか契約社員も含めているか、対象エリアが全国か都市部中心か、集計時点の年齢構成がどうなっているかによって平均値は変わります。求人サイトが公表する「平均年収」は、そのサイトに掲載されている求人の条件を集計したものであることが多く、業界全体の実態と、そのサイトの掲載求人の傾向のどちらを見ているのかを区別する必要があります。出典が明記されていない年収記事を読むときは、集計の母数と対象条件が書かれているかを確認する習慣をつけておくと、数字に振り回されにくくなります。

資格の有無で年収はどう変わるか|4点セットとの関係

前章の数字が示すとおり、設備管理区分の募集賃金は、無資格でも応募しやすい一般清掃・警備の区分より月4〜5万円高い水準にあります。この差がすべて資格の効果というわけではなく、業務内容や責任の重さの違いも影響しますが、背景には設備管理の求人の多くが資格保有を応募条件にしているという事情があります。

ビルメン業界で「4点セット」と呼ばれるのは、第二種電気工事士・危険物取扱者(乙種4類)・二級ボイラー技士・第三種冷凍機械責任者の4資格です。いずれも国家資格で、ビル内の電気設備・危険物(燃料等)・ボイラー・冷凍機の取り扱いに必要になります。無資格の状態では清掃・警備の求人しか選べなかった人でも、この4点セットを揃えることで、設備管理区分の求人に応募できるようになります。さらに経験を積んだうえで、建築物環境衛生管理技術者(通称・ビル管理士)のような上位の国家資格を取得すると、現場の実務者からマネジメント側へキャリアの幅を広げやすくなります。

設備管理の求人で条件になりやすい資格の例

  • 第二種電気工事士 — ビル内の電気設備工事・点検に関わる国家資格
  • 危険物取扱者(乙種4類) — 発電機の燃料など危険物の取り扱いに必要
  • 二級ボイラー技士 — ボイラーの運転・取り扱いに必要な国家資格
  • 第三種冷凍機械責任者 — 空調・冷凍設備の保安に関わる国家資格
  • 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) — 一定規模以上のビルで選任が義務づけられる上位資格

それぞれの資格の役割はこうです。第二種電気工事士は、一般用電気工作物(600ボルト以下)の電気工事に必要な資格で、ビル内の照明・コンセント・分電盤まわりの作業に直結します。危険物取扱者(乙種4類)は、ガソリンや軽油などの引火性液体を扱う資格で、非常用発電機の燃料管理などで求められます。二級ボイラー技士は、一定規模以下のボイラーを運転・取り扱うための国家資格で、学科試験に加えて実技講習の修了が必要です。第三種冷凍機械責任者は、高圧ガス保安法に基づく資格で、空調・冷凍設備の保安の責任者になるために必要になります。4資格とも難易度が突出して高いわけではなく、働きながら計画的に取得を進める人が多い資格です。

さらに実務経験を積んだうえで受験資格を得られる建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、延べ床面積が一定規模以上の特定建築物で選任が義務づけられている国家資格です。4点セットが現場の実務資格であるのに対し、ビル管理士は建物全体の衛生・空気環境・給排水を管理する立場の資格で、実務者からマネジメント側へキャリアの幅を広げる橋渡しになります。

厚生労働省が公開している「職業能力評価基準」のビルメンテナンス業版でも、業務は清掃管理・衛生管理・設備管理・管理サービス・保安管理・業務管理の6区分に整理され、区分ごとにレベル別のキャリアマップが示されています。資格の取得と評価基準上のレベルアップが連動する構成になっており、無資格から4点セット取得、さらに上位資格へという積み上げが、公的な基準の上でもキャリアの道筋として想定されていることが分かります。

経験年数・雇用形態による違い

経験年数別の年収データは、設備管理という職種単独では公的統計から確認できませんでした。代わりに手がかりになるのが、隣接職種の平均年齢です。賃金構造基本統計調査(令和5年)では、ビル・建物清掃員の平均年齢が53.2歳、警備員が51.6歳と、全産業平均より高めの年齢層が中心になっています。ビル管理の現場は、若手のポテンシャル採用だけでなく、他業種からの転職者や定年後の再雇用者も含めて幅広い年代が働いている業界だと言えます。

雇用形態については、全国ビルメンテナンス協会の第56回実態調査で、パートタイマーの平均時給が一般清掃1,128円・警備1,176円と示されている一方、設備管理のパート時給は同調査に記載がありませんでした。資格保有が前提になる業務の性質上、設備管理は正社員・契約社員(嘱託)中心の求人が多く、清掃・警備ほどパート・アルバイトでの募集が一般的ではないと考えられます。

雇用形態で確認しておきたい3点

  • 正社員か契約社員(嘱託)か — 契約社員は資格手当や賞与の扱いが正社員と異なることがある
  • 日勤専属かシフト制(夜勤・宿直あり)か — 宿直手当の有無で手取りが変わる
  • 再雇用制度の有無 — 定年後も同条件で働き続けられるかは会社によって差がある

夜勤や宿直の有無も年収に直結します。設備管理の現場でよくある勤務形態は、日勤のみで対応する「日勤専属」、複数人でシフトを組む「2交替制・3交替制」、泊まり込みで対応する「宿直あり」の3パターンです。日勤専属は宿直手当が付かない代わりに生活リズムが安定しやすく、宿直ありのシフトは拘束時間が長くなる代わりに宿直手当が上乗せされる傾向があります。求人票の月給欄が同じ金額に見えても、内訳が基本給中心か手当込みかで手取りは変わるため、面接の段階で確認しておきたいポイントです。

定年後の再雇用制度が整っている企業も多く、隣接職種の平均年齢が50代前半という統計傾向とも整合します。ただし再雇用後は雇用形態が嘱託・契約社員に切り替わり、賞与や昇給の扱いが正社員時代と変わるケースが一般的である点は、契約更新のタイミングで確認しておく必要があります。

未経験からビルメン業界に入るタイミングは、年代によって狙い方が変わります。20代であれば、無資格でもポテンシャル採用の枠がある求人を起点に、入社後に4点セットの取得を進める道があります。30代以降で転職する場合は、前職の経験(電気・機械・設備関連)を評価してもらえる求人を選ぶか、先に資格を取得してから応募するかで、初任の待遇が変わりやすくなります。40代・50代からの転職では、即戦力として資格保有が前提になる求人が増える一方、業界全体の平均年齢が高めであることは、年齢を理由に選考から外れにくいという意味でメリットにもなります。

年収を上げる具体的な方法

ここまでの内容を踏まえると、設備管理で年収を上げる方向性は大きく3つに整理できます。

1. 4点セットを段階的に取得する。 第二種電気工事士・危険物取扱者(乙種4類)・二級ボイラー技士・第三種冷凍機械責任者は、いずれも独学や通信講座で対策できる難易度の資格です。すべて揃えると設備管理区分の求人に応募できる幅が広がり、無資格のまま清掃・警備区分に留まるより上の給与水準を狙いやすくなります。

2. 無資格の区分から資格保有前提の区分へキャリアチェンジする。 前章で見たとおり、設備管理区分の募集月給は清掃・警備の区分より4〜5万円高い水準です。未経験からビルメン業界に入る場合でも、最初から資格取得を前提に清掃・警備以外の求人を視野に入れておくと、キャリアの伸びしろが変わります。

3. 資格手当・宿直手当が明示されている会社を選ぶ。 同じ設備管理の仕事でも、資格を取得しても手当に反映されない会社と、資格ごとに手当が積み上がる会社があります。求人票や面接の段階で、資格手当の有無・金額、宿直手当の単価を具体的に確認しておくことが、額面の年収差につながります。

資格取得の順番に決まりはありませんが、比較的短期間で対策しやすい危険物取扱者(乙種4類)から始め、その後に第二種電気工事士・二級ボイラー技士・第三種冷凍機械責任者と進める人が多いとされています。勤務先によっては、受験料や講習費用を会社が負担する制度や、資格取得後に一時金が出る制度を設けているところもあるため、入社前に資格支援制度の有無を確認しておくと、自己負担を抑えながらキャリアアップを進めやすくなります。

転職で年収を上げる場合は、同じ設備管理の仕事でも、管理する建物の種類(オフィスビル・商業施設・病院・データセンターなど)によって求められる知識や忙しさが変わる点も踏まえて比較すると、入社後のミスマッチを避けやすくなります。社内で清掃・警備から設備管理への配置転換や異動を打診する場合も、この記事で紹介した業界団体の実態調査は「資格保有前提の区分は募集賃金が高い」という根拠として提示しやすい数字です。感覚論ではなく出典のある数字を根拠にすることで、上司や人事との交渉も具体的に進めやすくなります。

ビルメン業界自体が「やめとけ」と言われることもありますが、その理由と実態は別記事で整理しています。

READ ALSO — 設備管理 ビルメンはやめとけと言われる理由|実態と誤解、4点セットで年収を上げる方法

シゴトのホント編集部

ビルメンの年収は、検索すると数字が乱立していて判断に迷いやすいテーマです。根拠のない平均値に一喜一憂するより、資格の有無で応募できる求人の層がどう変わるかを見るほうが、実際の年収アップには直結します。転職活動では、求人票の月給だけでなく、賞与・資格手当・宿直手当が別建てで示されているかを必ず確認してください。

参照ソース

FAQよくある質問

ビルメンの年収は本当のところいくらですか?

公的統計で「設備管理」を単独で切り出した職種区分が見当たらないため、平均年収を一律の数字で出すことはできません。全国ビルメンテナンス協会の実態調査では、資格保有が前提となる設備管理区分の中途採用時の平均月給は27.3万円(2025年10〜12月時点)で、無資格でも応募しやすい清掃・警備の区分より4万円前後高い水準です。

ビルメンの年収に資格はどれくらい影響しますか?

求人票の応募条件そのものが資格の有無で分かれています。第二種電気工事士・危険物取扱者・二級ボイラー技士・第三種冷凍機械責任者のいわゆる4点セットを持っていると、無資格では応募できない設備管理区分の求人に挑戦できるようになり、結果として基本給の水準が上の層を狙えます。

ビルメンで年収を上げるにはどうすればいいですか?

4点セットからビル管理士などの上位資格へ段階的に取得を進めること、無資格の清掃・警備区分から資格保有前提の設備管理区分へキャリアチェンジすること、資格手当や宿直手当の制度がある会社を選ぶことの3つが基本の方向性です。

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